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2020 年度 実施状況報告書

バリアフリー化情報支援を災害管理の観点から見直す研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K12069
研究機関津田塾大学

研究代表者

村山 優子  津田塾大学, 数学・計算機科学研究所, 研究員 (20264955)

研究分担者 大塚 亜未  津田塾大学, 学芸学部, 助教 (40782347)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードバリアフリー化情報支援 / 災害管理 / 状況把握 / 安心
研究実績の概要

本研究では,バリアフリー化に向けた情報支援の取組みを緊急事態管理と捉え,災害管理サイクルを適用し,各段階で必要な情報支援内容を示すとともに,災害情報支援技術の適用およびユーザが安心して利用できる情報環境の構築を目指す.具体的には,バリアフリー化情報支援について,(a) 管理サイクルの構築, (b) ユーザの安心モデルの構築,(c) 災害情報支援技術や情報共有サービスの応用を実施する.以上(a)の管理サイクルに,これまでの研究・開発事例を当てはめ,支援が不足している箇所を明らかにし, (b)で構築した安心モデルを(c)の情報支援や情報共有の技術に適用し,安心してユーザが行動できるための情報支援を行う.運用実験により情報取得から意思決定までの速度による安心の評価を行う.
2020年度は, 2019年度判明した新たな視点の状況把握(situation awareness)の研究分野やそれに関わる意思決定についての調査をさらに進めた. 一方, COVID-19の感染拡大に伴い, 打ち合せなどがオンライン下でなかなか進まず, 予定としていた「(b)ユーザの安心モデルの構築」のユーザ調査の質問紙作成が遅れている.
「(c) 災害情報支援技術や情報共有サービスの応用」については, 映像・画像配信および共有システムの構築・運用については, 計画通り進めている. ただし, 上記(b)の安心モデルの調査が進んでおらず, その結果に基づいた新たな機能の検討は, 2021年度に量的調査の結果に基づいて行う予定である.
2021年度は,バリアフリー化におけるユーザ(障がい者,支援者等の当事者)の安心感の調査では, 今回のCOVID-19の状況下における安心感や情報提供の在り方についても調査を進めたい.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2020年度は, バリアフリー化管理モデルを構築に応用できる状況把握(situation awareness)や, 意思決定モデルの調査は進めた. (a)管理サイクルの構築については, 既に2019年度に行ったが, 状況把握の観点からさらに充実したサイクルのモデルを構築すべく, 検討中である. さらに, COVID-19のため, 関係者との面談はオンラインでも行わなかったが, 2021年度は, あらためて, バリアフリー化支援におけるCOVID-19状況で判明した事等について, 関係者に聞き取りを実施したいと考えている.
一方, COVID-19の感染拡大で, 分担者との思うような情報共有や意思疎通ができず, 10月以降になり, やっと遅れて行えるようになった. しかし, 2020年度の予定していた, 「(b) ユーザの安心モデルの構築」では, 安心感の研究の質問紙作成が遅れ, ユーザ調査を実施に至らなかった.
また, 「(c) 災害情報支援技術や情報共有サービスの応用」については, カメラの映像・画像配信および共有システムの構築・運用については, 計画通り進めている. ただし, 上記(b)の安心モデルの調査が進んでおらず, その結果に基づいた新たな機能の検討は, 2021年度に量的調査の結果に基づいて行う予定である. それに伴い, 2021年度のシステム構築にむけた物品の準備が遅れている.

今後の研究の推進方策

2020年度前半は, COVID-19の感染拡大で, 研究分担者や国際会議などでの, 研究者との情報交換もなかなか進まなかったので, 研究に遅れが生じた. ただし, 2020年度後半以降は, 遠隔での研究打ち合せも順調に進んでいる. ただし, 障がい者支援関係者への聞き取りなどは, 当事者がオンライン対応による支援に追われ, 進まなかった.
今後は,バリアフリー化におけるユーザ(障がい者,支援者等の当事者)の安心感の調査のための聞取りについては, オンラインで進めるとともに, 従来のバリアフリー化についての安心感だけでなく, 今回のCOVID-19の状況下における安心感や情報提供の在り方についても調査し, 関係者が感染症蔓延下で向き合う課題についても調査を進めたい. その結果に基づいて, 質問紙作成および量的調査を実施する.
最終的に構築する安心モデルにおいては, 状況把握の意思決定モデルを参考にする. 一方, 2019年度に構築したバリアフリー化支援管理サイクルの内容を掘り下げ, COVID-19の状況下で支援が行き届いていない内容についての情報技術による支援策を検討する.
さらに, 災害時に利用されたシステムの利用をバリアフリー化情報支援への適用の検討を始め, これらのシステムが,どのような需要に利用できるかの検討を進め, これらの技術に, 安心モデルに基づく対策の付加を試みる.

次年度使用額が生じた理由

COVID-19感染症拡大により, 予定していた国内外の会議などがすべてオンラインとなり, 旅費を使用しなかったことと, さらに調査や打ち合せが充分行えず, 量的調査の質問紙の準備の遅れにより, 2021年度使用が生じた.
2021年度の使用計画は, 次の通りである.
「(b) ユーザの安心モデルの構築」については, 2020年度予定していた量的調査の質問紙を作成し, Web上での調査を実施, 分析を進める. 2021年度は, Web上でのプリテストや本調査に必要な, 謝金, パソコン等システムの費用, 調査のための委託料を計上する. 「(c) 災害情報支援技術や情報共有サービスの応用」については, 2020年度は, 2021年度のシステム構築にむけた物品の準備が遅れてしまった. 量的調査によるバリアフリー化に関わる安心感の分析の結果に基づく機能を追加したシステム構築を行う. さらに2021年度が最終年度となるため, システム構運用を行う. 2021年度は, システム構築のためのシステム費用や委託料を計上する. さらに, 2020年度の経験を踏まえて, 引き続きオンラインで開催される見込みの国内外の学会発表をさらに進めるとともに, 論文誌への投稿の準備を行う. 旅費については, 状況により, 開催可能と予測される旅費について一部計上する.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021 2020

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] Designing Warning Interfaces causing Discomfort for Awareness of Risks: Revisited2021

    • 著者名/発表者名
      Ami Otsuka, Yasuhiro Fujihara, Yuko Murayama, Tatsuya Aoyagi
    • 学会等名
      Hawaii International Conference on System Sciences (HICSS-54)
    • 国際学会
  • [学会発表] Web portal to support remote island for sightseeing and disaster management2020

    • 著者名/発表者名
      Kayoko Yamamoto, Yuko Murayama
    • 学会等名
      The 5th IFIP Conference on IT in Disaster Risk Reduction (ITDRR-2020)
    • 国際学会
  • [学会発表] 危険へのアウェアネスを促すための不快感を用いた警告インタフェースの試作と評価2020

    • 著者名/発表者名
      大塚 亜未 , 藤原 康宏 , 村山 優子 , 青柳 龍也
    • 学会等名
      コンピュータセキュリティシンポジウム2020
  • [学会発表] バリアフリー情報支援における新たな視点: 状況把握2020

    • 著者名/発表者名
      村山 優子
    • 学会等名
      バリアフリーワークショップ (BFREE 2020)

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公開日: 2021-12-27  

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