研究課題
近年、手術支援ロボットが臨床で使用されている。しかしながら現在最も普及している手術支援ロボットda Vinciには触覚の感知・フィードバック機能が無く、また開発過程にある触覚のフィードバックが可能な手術支援ロボットにおいても触覚フィードバックの精度は明確にされていない。そこで本研究では、これまでに開発した単孔式腹腔鏡下手術支援ロボットに6軸力覚センサーを設置して力覚と触覚を術者にフィードバックすることで、模擬試料に対する腹腔鏡下手術支援ロボットを用いた触診により、がん細胞と正常な細胞を識別可能であることを明確にすることを目的とする。昨年度までに、トロカールを装着し、鉗子による縦方向および横方向の触診において、それぞれニューラルネットワークを用いてトロカールが鉗子に及ぼす影響を抑制し、力触覚フィードバックが可能なロボット触診システムを開発して、模擬試料を触診して模擬試料中の模擬腫瘍の位置を判定する実験を行った。提示条件を比較した結果、力覚と触覚を同時に提示する力触覚フィードバックが最も効果が高い提示方法であるという結果が得られた。得られた結果の一部を国際会議IEEE ICMA 2022 で公表した。本年度は、1つディープニューラルネットワークを用いて、縦方向と横方向だけではなく、斜め方向の触診に対してもトロカールが鉗子に及ぼす影響を抑制できるようにロボット触診システムを改良した。改良したロボット触診システムを用いて、これまでの実験で最も効果が高かった力触覚フィードバックにより、模擬試料中の模擬腫瘍の位置を特定する触診実験を行った。触診による腫瘍位置の特定の結果、4種類の実験試料に対して1mm以内の精度で腫瘍位置の特定が可能であるという結果が得られた。得られた結果は日本機械学会 ロボティクス・メカトロニクス講演会2023で公表する予定である。
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