研究課題/領域番号 |
19K12105
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
西山 裕之 東京理科大学, 理工学部経営工学科, 教授 (80328567)
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研究分担者 |
秦野 亮 東京理科大学, 理工学部経営工学科, 助教 (50808657)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 高速論理型機械学習器 / 要約文章作成 / 分散人工知能 |
研究実績の概要 |
本研究では,人間の熟考に基づく知恵を正確に抽出することを目的として,高精度なルール生成を短時間で可能にするために,論理型機械学習器(ILP)を分散処理により高速化させるとともに,分散処理する学習器どうしを協調させることにより学習過程の精度向上を可能にする協調型分散手法を提案することを目的としている。 平成31年度は分散型論理型機械学習器における仮説生成過程の各プロセスの実行時間調査を実施するために、ILPにおける学習過程の時間計測機能をシステムに組み込むとともに、保有している実データを用いたILPによる学習実験をILPの各種パラメータで実施し,仮説生成過程の実行時間調査を実施した.本調査により,パラメータ変更に伴うILPの仮説生成時間を計測することにより,問題(扱うデータ)ごとの学習に必要となる時間を得ることが可能となった。また、計測により得られた学習時間と本学習により得られた仮説の精度を比較することにより、学習時間を多く必要としているにも関わらず得られた仮説の精度が悪化するパラメータの組み合わせの発見を可能にした。これにより、ILPを用いたグリッドサーチの実施手法において、学習時間を短縮し精度の向上を目的として、非効率となる仮説生成過程を検知するための協調用通信プロトコルの設計を実施した。さらに、訓練データ内の特徴情報ごとの調査も行うことで、重要要素の推定も可能にしている。 本研究成果の一部は、2つの国際会議(29th International Conference on Inductive Logic Programming(ILP2019)、25th International Symposium on Artificial Life and Robotics AROB 25th 2020)にて発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成31年度は、分散処理する学習器どうしを協調させることにより学習過程の精度向上を可能にする協調型分散手法を実現するために、計画通りに、「ILPにおける仮説生成過程の各プロセスの実行時間調査」、および、「協調処理に必要となる協調用通信プロトコルの設計」を実施した。そして、本研究を実施する過程で得られた研究成果の一部を、2つの国際会議(29th International Conference on Inductive Logic Programming(ILP2019)、25th International Symposium on Artificial Life and Robotics AROB 25th 2020)にて発表を行うことにより、その成果の公表を実施した。以上より、本年度の進捗状況は、概ね順調に視点しているものと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度も、分散処理する学習器どうしを協調させることにより学習過程の精度向上を可能にする協調型分散手法を実現するために、計画通りに研究を推進する予定である。具体的には、まず、協調用通信プロトコルを実装した協調モジュールの設計を開始する。本協調モジュールは平成31年度に設計した通信プロトコルを実装することにより、並列学習中のILP学習器のパラメータ調整時における学習時間を短縮と精度の向上を可能にする。また、訓練データ内の重要度を有する要素データの情報共有も可能にする。本モジュールの設計と並行して、要約文章作成モジュールの設計も行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の予定では学生アルバイトを予定していたが、平成31年度は学生アルバイトを実施しなかった。令和2年度は、本予算も組み込み、学生アルバイトを実施する予定である。
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