研究実績の概要 |
本研究では、人間の熟考に基づく知恵を正確に抽出することを目的として、高精度なルール生成を短時間で可能にするために,論理型機械学習器を分散処理により高速化させるとともに、分散処理する学習器どうしを協調させることにより学習過程の精度向上を可能にする協調型分散手法を提案することを目的としている。 令和3年度は昨年度に設計した協調モジュールと要約文章作成モジュールを実装した高速論理型並列機械学習システムを設計を行い、クラウド環境で運用可能なシステムとして研究開発を実施した。クラウド環境としてはマイクロソフト社が提供しているAzure環境を採用し、本環境上で、酪農分野や安全運転分野等の問題に対する機械学習を実施可能とした。特に酪農分野においては、哺乳および搾乳に関するデータを複数の酪農家から自動収集する機能を用意することで、得られたデータに対する学習結果を要約文章として酪農家に提供可能なシステムとして運用することを可能にした。この結果、搾乳・哺乳データの提供を受けた酪農家に対して、ウエブブラウザを介して要約情報等の提供を行い、その発育過程や疾病状況を助言可能にするなど貢献を実現した。 以上より、本研究では研究計画で予定していた研究項目を全て実施するとともに、研究成果として実装システムを用いて酪農分野における具体的な貢献を行うなど、多大な研究貢献を実現した。その他、学習結果を説明可能とする機械学習器に関連して, 既存の(深層)機械学習モデルの解釈性(説明可能性)に関する研究についても実施する等、本研究成果の拡張を可能にする研究も実施した。 本研究成果の一部は、国際会議(26th International Symposium on Artificial Life and Robotics AROB 26th 2022)にて発表を行った。
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