研究課題/領域番号 |
19K12134
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
田中 一男 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (00227125)
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研究分担者 |
田中 基康 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (50633442)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ファジィ制御 / 知能ロボット / Unmanned aerial vehicle |
研究実績の概要 |
1 有理多項式ファジィ制御理論の構築 申請者らは近年注目を浴びたLinear Matrix Inequality (LMI)を用いた高木・菅野ファジィモデルに基づく制御を拡張した多項式ファジィモデルに基づく制御を提案し,この手法が固定翼Unmanned aerial vehicle (UAV)制御に適した理論であることを主張している.その根拠はUAV制御で非常に扱いが難しい翼が発生するAerodynamicsの多項式モデルと多項式ファジィモデルの相性の良さ,及び,この制御手法のもつ巧みな高次非線形記述とLMIの枠組みを超えた2乗和(Sum-of-squares (SOS))記述の優れた柔軟性にある.実際,設計条件中に多項式変数が現れるようなLMIでは記述不能な設計条件を記述できる. 本研究では,LMIで記述が難しい,UAVの飛行効率最適化,アクチュエータ飽和特性などを考慮した多目的飛行最適化設計において,SOSで記述される設計条件を新たに導出した.本研究で目指す難易度の高い飛行戦略では,定式化したSOS数理可解条件の可解領域が減少することは容易に予想できたため,本研究では,有理多項式ファジィ制御器の提案とS-procedureの導入で,解を得るのが困難な設計条件の可解空間拡大を実現する制御系設計法構築に成功した. 2 Aerodynamicsの含む多項式ファジィモデル化 風洞実験の空力測定データに基づいたAerodynamicsの含む多項式ファジィモデル化にも成功した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り,有理多項式ファジィ制御理論の構築を行うことができた.風洞実験の空力測定データに基づいたAerodynamicsの含む多項式ファジィモデル化については,一部,改善の余地はあるものの,おおむね順調に進展している. 1 有理多項式ファジィ制御理論の構築 (1)UAV制御で非常に扱いが難しい翼が発生するAerodynamicsの多項式モデルと多項式ファジィモデルの相性の良さの検証 (2)SOSに基づく制御手法のもつ巧みな高次非線形記述とLMIの枠組みを超えた2乗和(SOS)記述の優れた柔軟性の検証 (3)設計条件中に多項式変数が現れるようなLMIでは記述不能な設計条件を記述できる優位性の検証 (4)LMIで記述が難しい,UAVの飛行効率最適化,アクチュエータ飽和特性などを考慮した多目的飛行最適化設計において,SOSで記述される設計条件を新たに導出 (5)有理多項式ファジィ制御器の提案とS-procedure relaxationの導入で,解を得るのが困難な設計条件の可解空間拡大の実現 2 Aerodynamicsの含む多項式ファジィモデル化 (1)風洞実験の空力測定データの吟味 (2)Aerodynamicsの多項式モデル化とパラメータ同定 (3)Aerodynamicsの含む多項式ファジィモデル化
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今後の研究の推進方策 |
風洞実験の空力測定データに基づいたAerodynamicsの含む多項式ファジィモデル化ついては,一部,改善の余地が残ったため,この改善を行いながら,令和2年度の研究実施計画を着実に実行する.具体的には, (1) 各センサ値に基づく飛行ルート生成アルゴリズムの開発 (2) 空からの情報収集のためのタスク選定とそのフィージビリティの検証 (3) (1),(2)について北海道のJAXA航空宇宙実験場にて実験を行い,実験データを詳細に解析,吟味する.
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