犠牲を払って自身の適応度を下げてでも他者を利する行動が進化したのかは謎であり研究がなされてきたが、互恵性による利他行動の進化の説明で不十分であった身体性、リアルタイム性、及び人間心理の果たす役割について、ゲーム論的抽象モデルに基づく創発シミュレーション、リアルタイム相互作用に基づくオンライン被験者実験、仮想物理環境における仮想生物進化実験の3方面からの知見を得た。そして、それらの知見に基づいて、互恵性を促進するアーキテクチャのプロトタイプを試作して、有効性を確認した。今後の実世界への応用の道が切り拓かれたと言える。
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