研究課題
人間のカテゴリー分類機能は、生活する上で非常に重要な機能である。しかしながらその神経機構はまだ分かっていない。申請者は、物体情報がサルの脳のTE野に到達する前に、イヌやネコを大まかに分類でき、TE野でイヌやネコの境界付近の細かい特徴の差から分類できるようになっていると仮説をたてた。その仮説を検証するために、TE野内に複数の電極アレイを埋め込み、多数のニューロン活動を同時記録する。記録したニューロンデータからデコーディング手法によりニューロンがコードしているカテゴリー情報を解読し、電極アレイ間で比較する。さらに、ニューロン活動からモデルのパラメータを推定し、推定したパラメータを用いてニューラルネットワークモデルを構成する。これらにより、TE野内でのカテゴリー情報の処理過程が明らかになる。本研究では、以下の3つの課題に取り組む。[課題1]サルの脳から多数のニューロン活動を同時に記録。サルが注視タスクとカテゴリータスクの2種類のタスクの実行中に、TE野に埋め込んだ3個の電極アレイ(96本の電極)によりニューロン活動を記録する。[課題2]デコーディング手法の適用。課題1で記録したニューロン活動からカテゴリー情報に関する情報を解読し、解読した情報の内容の時間変化や電極アレイ間比較を調べる。[課題3]ニューラルネットワークモデルの構成。ニューロン活動からニューロンモデルのパラメータを推定し、そのパラメータを用いてニューラルネットワークモデルを構成する。本年度は課題1について研究を実施した。サルに注視タスクとカテゴリータスクの2つのタスクを訓練し、ニューロン活動を記録した。来年度は課題2と課題3に取り組む。
2: おおむね順調に進展している
おおむね研究計画通り進展している。
研究計画通り研究を遂行する予定である。
実験の補助とデータ解析の補助をおこなう研究補助員を雇用するために予算を確保する必要があったため。次年度に研究補助員を雇用するための人件費として使用する。
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