研究課題
本研究の目的は、ヒトの様々な「考える」能力を包括的に実現でき、理論的基盤がしっかりしていて工学的に応用しやすい認知アーキテクチャを構築することである。具体的には、既存の認知アーキテクチャを部分観測マルコフ決定過程(POMDP)理論に基づいて定式化し直すこと、そしてAlpha Zeroなどの高性能な最適化手法を用いてその解法を実装すること、またフィジカルRPAという実問題に応用し、構築したアーキテクチャの有効性を明らかにすることを目的としている。初年度は、まずPOMDPに基づいて既存の認知アーキテクチャを定式化し直し、Alpha Zeroを改良して実装すること、そして計算機上で数値実験を行い、提案手法の性能を確かめることを計画していた。同時に、フィジカルRPAのための基本的な技術を確立させること、特に、本研究では最もニーズがあると考えられる「紙を用いる作業」の自動化を行う計画であるため、その基本技術を確立させることを計画していた。また二年目以降は、提案した認知アーキテクチャをフィジカルRPAに応用し、実問題への応用が容易かを明らかにすることを計画していた。これまでに、POMDPに基づいて既存の認知アーキテクチャを定式化し、Alpha Zeroではないが類似の最適化手法を用いて実装することができた。計算機上で数値実験を行い、提案手法の性能を確かめることもできた。これらの成果を論文発表することもできた。また、紙のソートを行うシステムも完成させることができ、論文を2本発表することもできた。また、フィジカルRPAへの応用を進め、システム全体の開発がまだ完了できていないが、紙のスキャン、紙への手書き文字の記入、散らばった紙の認識、紙以外の物体把持などの要素技術を実装することができ、一部は学会発表することができた。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 備考 (1件)
IEEJ Transactions on Electronics, Information and Systems
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https://www.ace.ec.saga-u.ac.jp/index.html