研究課題/領域番号 |
19K12161
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
染谷 博司 東海大学, 情報理工学部, 准教授 (00333518)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 遺伝的アルゴリズム / 進化型計算 / 最適化 |
研究実績の概要 |
申請課題「進化的同時最適化法によるメトリック空間最適化」では,十分に信頼できる評価関数が得られない最適化問題を研究対象とした新たな問題領域「メトリック空間最適化 (metric space optimization) 」に取り組み,その研究意義を示す.また,具体的な接近法として,進化型計算に基づく最適化法「進化的同時最適化法」を提案する.例題とする3つの時系列最適化問題に適用し有効性を評価することで,本問題領域の問題特性を明らかにする.これらにより,実問題のモデリングや問題設定に対する新たな知見を提示する.申請時までの調査において,今後の課題として次のことが挙げられていた.調査項目1:テスト関数ベンチマーク問題セットにおける提案手法の有効性調査,調査項目2:音波形ベンチマーク問題セットにおける提案手法の有効性調査,調査項目3:医用動画像位置合わせ問題への接近,調査項目4:多期間献立計画問題への接近.
2年目にあたる2020年度は,調査項目4に関する並列分散型最適化アルゴリズムを中心に研究が進展した.複数の意思決定者にて構成される献立作成問題に対して,並列分散型の対話型遺伝的アルゴリズムを適用し,各意思決定者間の合意形成を試みる最適化法,および,合意形成支援システムを提案した.各意思決定者は,好ましい献立について,それぞれが異なる趣味趣向を有しており,かつ,その評価基準は定量化されておらず曖昧である.また,最適化の過程において動的に変化しうる.このような問題設定への取り組みは,本問題領域の問題特性をより明確にすると期待できる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度までの研究にて得られた基礎的背景となる知見について,公表を準備している段階にある.
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今後の研究の推進方策 |
次年度は,現在進行中である研究について,得られた知見を整理し,成果の公表を目指す.当初の研究計画と順序は異なるものの,着実な研究の実施を心がける.
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度と同様,新型コロナウィルスの影響による社会環境の先行き不透明感があり,想定していた出張計画を変更した.また,研究機関所在地および隣接都道府県における,まん延防止等重点措置や緊急事態宣言を考慮した研究機関への入構自粛などの影響により,数値シミュレーションおよびプログラム開発用の計算機の購入計画に変更があり差額が生じた.差額分は,次年度以降の計算機購入に使用する予定である。
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