研究課題/領域番号 |
19K12171
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
田窪 朋仁 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 教授 (80397695)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 自律移動ロボット / ナビゲーション / RTK-GPS |
研究実績の概要 |
昨年度は,3次元環境地図を3D-LiDARのデータから構築し,地面の起伏を再現する局面地図を利用した経路計画手法を実装し,移動ロボットが走行可能な経路を自動的に発見し,目的位置までの経路生成とナビゲーションを行う手法を実装した.一方,3次元環境地図における,地面の起伏の精度を良く再現しないと計画された経路の最適性は保証されない.すなわち,提案手法を有効的に利用するためには,移動ロボットの3次元地図生成機能の精度を上げることが必須の課題となる.本年度は,移動ロボットの位置推定精度向上のために2周波RTK-GPSを利用した屋外自律移動ロボットの位置姿勢推定手法の開発と自律走行ナビゲーションの実験を行った.提案手法は,移動ロボットへ2 台の2 周波RTK-GNSS を搭載することで,位置と方位を計測するシステムを構築し,独立して2 台のRTK-GNSS アンテナを計測した後に,既知のアンテナ間距離を拘束条件として移動ロボットの方位を推定することで,ロバストかつ正確な位置・姿勢を求める手法である.提案手法との比較として,移動ロボットに搭載されたRTK-GNSS アンテナの1 台を基準局として,もう1 台のRTK-GNSS アンテナの位置を移動体と仮定して計測するMoving Base手法と位置・姿勢計測精度の比較を行った.実験は,屋外自律移動ロボットの実証実験事業「中之島ロボットチャレンジ2020」において,扇町公園で実験を行った結果,独立して2つのアンテナ位置を計測した結果から方位を推定する結果のほうが精度よく計測できることがわかった.また,提案手法を使った位置・姿勢推定結果を使った自律走行ロボットのナビゲーションを実装し,課題コースを1周する事が可能となった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度の地面形状を再現する地図生成手法の精度を向上させるためにRTK-GPSを使った自律移動ロボットの位置・姿勢推定技術の開発を行い,自律走行実験まで行うことができたが,その技術を3次元地図生成の情報へフィードバックする技術開発まで行うことができていない.その原因として,コロナ禍の影響で屋外環境における実走行実験の回数を減らさざるを得ず,実験データの取得ができず問題点の把握が思うように進まなかったため.
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今後の研究の推進方策 |
2020年度似開発した複数RTK-GPSを用いた高精度位置・姿勢推定手法を用いた3次元地図生成を行う.また,生成した地面形状の地図を用いて,自律移動ロボットの経路計画の最適化手法を開発する.さらに,リアルタイムに変化する地面の状況をローカルマップとして取得する手法を開発し,オンラインで地面形状の情報に従ったロボットのナビゲーションを行う手法を開発し,屋外自律移動ロボットの実証実験で有効性を示す.
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