研究課題/領域番号 |
19K12172
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研究機関 | 広島市立大学 |
研究代表者 |
李 仕剛 広島市立大学, 情報科学研究科, 教授 (50252630)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 注視点計測 / 車椅子ロボット / 意図推定 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、車椅子ロボットのユーザの走行環境に対する注視(Gaze)情報から、ユーザの意図(Intention)を推定し、推定された意図情報を車椅子ロボットの走行に利用する手法を開発することである。それにより、ユーザと車椅子ロボットに「人馬一体」の感覚が生じ、車椅子ロボットがユーザの意図がわかるようになり、ユーザが無意識のうちに動き、ユーザの体の一部のようになる。そのため、本研究では、車椅子ロボットを中心としたユーザの注視(Gaze)情報の獲得、走行環境における注視情報からユーザの意図(Intention)の推定、ユーザの意図に従う車椅子ロボットの制御に関する技術開発を行う。 令和元年度には、購入した電動車椅子の背後に全天周カメラを1台、ユーザの前方の両サイドにユーザの頭部を観測するウエブカメラをそれぞれ1台取り付けた車椅子ロボットの視覚インターフェースを構築し、車椅子ロボットの走行のための環境理解とユーザの注視点推定に着手した。 令和2年度には、構築された視覚インターフェースで、ユーザの顔のランドマークを用いた注視点推定方法とユーザの顔観測画像をそのまま用いた注視点推定方法を提案し、実験を行い、評価をした。 今年度(令和3年度)は以下の研究実績を挙げた。(1)構築された視覚インターフェースでユーザの顔観測画像からユーザの注視点を推定する手法の精度の改善のために、異なる環境において異なる照明条件で被験者数を増やしたデータセットを作成した。(2)車椅子ロボットの走行に利用する一例として、注視点の時系列情報を利用して、車椅子ロボットの交差点に遭遇した際に経路の自動選択に関する手法を提案し、実験を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の当初の計画では、最終年度の第3年度(令和3年度)に、「ユーザの意図を察知して移動を行う「人馬一体」型車椅子ロボットのの試作」とした。この過程において、多数の走行実験を行いデータを収集する必要があり、コロナ禍の影響で作業がやや遅れている。そのため、1年間の延長申請を行った。
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今後の研究の推進方策 |
延長した来年度(令和第4年度)に、注視点の時系列情報を利用して車椅子ロボットの交差点に遭遇した際に経路の自動選択に関する提案手法に対して、様々な走行実験を通して、試作したシステムを評価し改善をはかる。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の影響で、学会出張ができなくなり、主に旅費が使われていなかった。 次年度に、旅費、学会登録費、論文投稿費等に使う予定である。
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