研究課題/領域番号 |
19K12180
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
佐藤 美恵 宇都宮大学, 工学部, 教授 (00344903)
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研究分担者 |
橋本 直己 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (70345354)
伊藤 篤 宇都宮大学, 工学部, 教授 (80500074)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 感性情報処理 / 眼球運動 |
研究実績の概要 |
本研究は、眼球運動情報を解析することにより、潜在的注意が向けられた様々な対象の中から、意識下では気づかなかった観光地の新しい魅力を発見し、さらなる観光資源を創造することを目的としている。潜在的注意とは、視線がある物体に向いているときでも無意識のうちにそこから離れて、興味・関心を引き付ける別の物体に向けられる注意である。 本年度は、予定していた屋外実験に使用する眼球運動計測装置の手配が遅れたため、先に次年度に計画していた屋内実験を実施し、そこで得られたデータを基にニューラルネットワークを駆使して、眼球運動情報からの特徴抽出を試みた。 実験では、観光対象としての興味・関心と眼球運動情報との関係について調査するために、観光地(日本、海外)の画像28枚を1枚ずつプロジェクタにより大画面に提示し、被験者(計10名)に見てもらった。その後、被験者に観光対象としての興味・関心がある対象を提示画像に印すアンケートに回答してもらい、被験者が意識している観光対象としての興味・関心がある対象を特定した。そして、特定された興味・関心がある観光対象を見ているときの眼球運動情報とそれ以外の対象を見ているときの眼球運動情報を解析し、それぞれの特徴を抽出した。その結果、注視時間と興味・関心の高さに強い正の相関があることがわかったが、隠れた興味・関心を見つけ出すためには注視特性以外の眼球運動情報の抽出が必要であり、眼球運動情報のより高度な計測および解析が課題であることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度に予定していた屋外実験に使用する眼球運動計測装置の手配が遅れ、本年度の計画にやや遅れが出ているが、その分、次年度に計画していた実験を先に進めている。 また、眼球運動の計測および解析において、予想していたような顕著なデータが得られず、視覚情報処理の専門家の知見や技術が必要になった。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、眼球運動の計測および解析において、予想していたような顕著なデータが得られず、視覚情報処理の専門家の知見や技術が必要になった。 そこで、視覚情報処理の専門家に新たに参加してもらい、眼球運動の計測実験において、精度の高い計測方法と、計測データの効率的な解析方法を検討する。そして、再度、計測実験を行い、本研究課題の基盤となる、眼球運動計測データからの効果的な特徴抽出を提案する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、屋外で使用できる眼球運動計測装置の購入(レンタル)および国際会議への参加が次年度になったためである。 使用計画としては、次年度に、元々計画していた物品の購入費や旅費等だけでなく、本年度に予定していた屋外で使用できる眼球運動計測装置の購入費(レンタル費)および国際会議への参加費と旅費に充てる。
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