研究課題/領域番号 |
19K12192
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
加納 政芳 中京大学, 工学部, 教授 (90387621)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 感性ロボット / 介護 / 福祉 / ヒューマンロボットインタラクション |
研究実績の概要 |
本研究課題では,高齢者の生活リズムを改善する感性ロボット(生活リズム促しロボット)の開発を目的とする.生活リズム促しロボットが,介護者の代わりに日常生活の時間管理を行うが,親近感のあるロボットであれば,高齢者は抵抗感なくロボットの要求を受け入れることができ,延いては生活リズムの改善が望めると考える. 2020年度は,生活リズム促しロボットの表情表現のために,オノマトペを用いた表情生成手法の提案とその効果の検証を行った.人は生活の中で,「しくしく」している,「めそめそ」しているなど,オノマトペを用いて表情を表現している.オノマトペを使うことで,人の表情や感情のもつ微妙なニュアンスを少ない言語情報で表現することができる.オノマトペが内包する表情情報をパラメータ化することができれば,オノマトペによって自然なロボット表情を生成できると考える.そこで,オノマトペを用いたロボットの表情生成手法として,最大印象表出法および印象結合法を提案した.ニューラルネットワークで学習済みのデータに対しては,印象結合法のほうがより人の主観に即した表情生成が行える結果が示された.しかしながら,未学習のデータについては2つの手法間に差は認められなかった.さまざまなオノマトペに対して実験を重ね,提案手法の有効性や適用範囲を確認していく. また,恐れと嫌悪の表情表現のためにマンガ技法を応用することについて検討を進めた.加えて,生活リズムを促すためのロボットの発話方略についても検討を進めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
生活リズム促しロボットの発話方略と表情生成手法の研究開発についてはおおむね順調に進展しており,ほぼ被験者実験が行える状況に至っているといえる.
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は2020年度に引き続き,新型コロナウイルス感染症の影響があるため,高齢者を対象とした被験者実験を行うことが難しい状況となる可能性が高い.高齢者ならびに実験者への感染リスク低減のために,実験の被験者を学生などに変更するなどして,生活リズム促しロボットのもつ効果を一定程度検証したい.
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