研究課題/領域番号 |
19K12207
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研究機関 | 専修大学 |
研究代表者 |
小田切 健太 専修大学, ネットワーク情報学部, 准教授 (20552425)
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研究分担者 |
高田 弘弥 日本医科大学, 医学部, 教授 (30824833)
藤崎 弘士 日本医科大学, 医学部, 教授 (60573243)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 細胞集団動態 / 数理モデル / リアルタイムイメージング / ディープラーニング |
研究実績の概要 |
本研究課題は、実験で得られたがん細胞動態の計測データを利用して、高精度予測が可能な細胞集団動態の数理モデル構築が目標である。そのために、実験によ る細胞動態のデータ計測、細胞動態の数理モデル構築、実験データを利用した数理モデルのパラメータ推定の3段階の研究を組み合わせて、研究を効率的に進め ている。当該年度では前年度に引き続き、既に当研究で構築している数理モデルの修正とパラメータ推定のための研究を主として進めていった。 数理モデルについては、これまでの研究で構築した創傷治癒過程を記述する数理モデルを基にして、圧刺激により血管状(ネットワーク状)構造を自発的に形成 する血管上皮細胞の細胞動態を想定した数理モデルの修正を進めていった。前年度から進めていた圧刺激の効果を明示的に加えたモデルへの拡張については、細胞に加わる力を計算する有限要素法(FEM)と既に構築している数理モデルを結合させたモデルの実装を進めていたが、これまでに再現できていた細胞集団による血管状構造の形成する結果を得ることはできなかった。その他にも、これまでの数理モデル上で直接張力に相当する計算を行うモデルへの拡張も行ってみたが、こちらでも血管状構造の形成を再現することはできなかった。 パラメータ推定に関しては、昨年度までと同様に本研究の数理モデルによる数値計算結果から得られた時系列データを用いて、ディープラーニングによる特徴的な細胞ダイナミクスの抽出をさらに進めていった。しかし、数理モデルの修正および拡張が上手くいかなかったため、血管状構造の形成に関する細胞ダイナミクスの解析については、ほとんど行うことができなかった。
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