研究成果の概要 |
カーネル密度推定とトポロジー保存のアイディアに基づき, 事前のチューニングを可能な限り低減でき, かつ実用的な位置合わせが実現できる汎用的なイメージレジストレーション技術の研究を行なった。特に, 比較する画像の中に, データ欠損などにより対応しない領域が存在する場合にも実用的に機能する位置合わせ技術に焦点を当てた研究を行った。結果として, 比較的単純な形状の組織のみでなく血管のように複雑な構造をもつ対象に対し, 画像中に対応しない領域が存在しても実用的な位置合わせを実現することができた。非常に自由度が高い技術技術として発展が期待できるが, 計算コストの課題を完全に克服することはできなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
複雑な自由変形と, 対応してない領域を含む物体同士の位置合わせという, チャレンジ性の高い課題に挑んだ。 前者には, ベイズ推論に基づく位置合わせを行う際に, 事前分布としてマルコフ確率場に基づく自由変形モデルを導入した。後者には, マルコフ確率場で表現される制御点に対し, informativeな制御点とそうではない制御点のクラスタリングも同時に行うことで対応した。これは自己教師対照学習などの他分野の技術の進展に伴い得られた着想である。今後, 数理モデルとデータ駆動的アプローチを融合する位置合わせ技術として様々な展開が期待できる。
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