研究課題/領域番号 |
19K12224
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研究機関 | 創価大学 |
研究代表者 |
藤原 和夫 創価大学, 理工学部, 准教授 (90409780)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | タンパク質間相互作用 / タンパク質間相互作用面 / 二次構造 / secondary structure |
研究実績の概要 |
タンパク質間相互作用面の二次構造に着目した類似性を評価する手法の開発を行い、相互作用面による分類を行うことを目的として研究を行った。予備調査では、7,671PDBの二量体エントリについてサブユニット間で接触している残基の二次構造ペアの出現頻度の比較によって類似相互作用面の探索を行った。2019年度は、探索結果を評価し、問題点を見出すことで、探索精度を向上させるための改良を行った。探索結果の評価を行うために、約50件の探索結果をランダムに抽出し、クエリ・エントリと探索されたエントリの相互作用面の類似性を目視で確認した。その結果、クエリ・エントリと似ていないにも関わらず探索結果に含まれていたエントリにはいくつかのグループが存在することがわかった。まず、βシートの面同士の相互作用か、分子間βシートを形成している相互作用かが区別出来ていないということ。また、へリックスが束になるような相互作用か、へリックス末端間の相互作用かも区別出来ていなかった。そこで、接触数に加えて、接触している二次構造間の配向に関する情報を構造比較に用いるよう改善した。さらに、サブユニット内の二次構造の配置が異なっているものも多いことが明らかとなった。そこで、サブユニット内の二次構造の配向に関する情報を追加した。現在、これらの配向情報も用いた探索を行えるように改良が修了し、現在、探索結果の再評価を行っている。今回の改良により立体構造が異なるにもかかわらず接触面の類似しているタンパク質複合体の探索精度が飛躍的に向上した。相互作用面のデザインや予測などの分野で活用されることが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在、行っている再評価は3月中に完了する予定であったが、コロナ禍のため3月以降作業を中断せざるを得なくなり、6月15日より再開している状況である。
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今後の研究の推進方策 |
現在、学生、大学院生のアルバイトを雇い、作業を開始している。今後は、類似度の高いエントリの抽出のために、機械学習を取り入れていくなど、さらなる改良を加えていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
購入物が割引され、想定より安く購入することができたため次年度使用額が生じた。翌年度は、旅費として多くを申請していたが、コロナ渦で出張が減った分、アルバイト代として使用することで遅れを取り戻したい。
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