研究課題/領域番号 |
19K12227
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研究機関 | 苫小牧工業高等専門学校 |
研究代表者 |
三上 剛 苫小牧工業高等専門学校, 創造工学科, 教授 (40321369)
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研究分担者 |
高橋 弘毅 東京都市大学, その他部局等, 教授 (40419693)
中村 嘉彦 苫小牧工業高等専門学校, 創造工学科, 准教授 (60402476)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | いびき / 生体信号 / 睡眠時無呼吸 / 3Dプリンタ |
研究実績の概要 |
本研究では,睡眠時無呼吸症候群(SAS)の代表的な症状である「いびき」に着目し,いびきの音響特性から無呼吸の前兆を予測する工学的手法の構築を目的とする.いびきは同一人物であっても一晩の間でいびきは多様に変化し,無呼吸の前兆を示すようないびきの音響特性は未だ十分に明らかになっていない.本研究では,上気道の立体模型を3次元プリンタにより構築し,いびきを発生させる音響実験を様々な生理条件を模擬した環境下で行い,無呼吸の前兆を示す上気道の狭小化といびきの音響特徴との関連性を明らかにする.
今年度は昨年度に引き続き上気道モデルを構築した.昨年度使用したNICTの数値人体データベースは2mmメッシュであるため,実際の形状を考慮するとかなり粗い.したがって,今年はより精緻なモデルの製作を目的として,医療用の口腔・鼻腔部の人体模型を購入し,この形状を参考にモデルを構築した.舌部に相当する箇所を先ずは油粘土で造形し,それをシリコンによる型取りした後,人体と同程度の軟らかさを有する軟質ウレタン樹脂を流し込んだ.舌以外の部分は3DCADソフトウェアで簡易モデルとして設計し,それを3Dプリンタを用いてPLA樹脂による硬質な部位として製作した.
しかし,結果としていびきに相当する舌部の振動はなかなか発生せず,モデルのどこかに根本的な誤りがあると判断した.研究協力者に意見を求める予定であったが,新型コロナウィルス感染者の対応に追われ協力を得ることが難しい状況下にあるので,現在はSAS患者のMRIを見比べながらモデルの見直しを行っている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初の予想より3Dモデルによるいびきの生成がうまく実現出来ない状況にある.様々な要因が考えられるが,一番大きな点は,作成したモデルがSAS患者に多く見られる上気道や下顎などの形態的特徴をうまく捉えていないことが考えられる.3次元的な形態的特徴をMRIから視認するのは経験を要するため,現在研究協力者に意見を求めようと考えているが,新型コロナウィルス感染症の対応により,十分な協力を得ることが難しい状況下にある.
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍においては十分な協力を得ることは難しいが,オンライン会議を利用して出来るだけ研究協力者から意見を得られるように協力を依頼する. また,他にもいくつか医療用3D模型を購入したり,3DCGによる解剖学ソフトウェアなどを駆使して,口腔・鼻腔と上気道周辺の組織とその形態的特性をより実感を持って理解できるように学習する.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染者対応のため研究協力者が業務多忙となり,協力を得ることが難しくなった.そのため,研究協力者のところまで出張するための旅費が未使用となった.
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