研究課題/領域番号 |
19K12237
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研究機関 | 大阪総合保育大学 |
研究代表者 |
大脇 万起子 大阪総合保育大学, 児童保育学部, 教授 (00280008)
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研究分担者 |
中村 由美子 学校法人文京学院 文京学院大学, 保健医療技術学部, 教授 (60198249)
竹村 匡正 兵庫県立大学, 応用情報科学研究科, 教授 (40362496)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 機械学習 / 産後うつ病予防 / 母親 / 類似事例提示 / 支援方法の開発 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、音声エージェントを用いて24時間対応可能な産後うつ病予防システムを構築することである。具体的には、市販のスマートスピーカーを用いて、母親の育児に関する悩みを発話してもらい、その悩みに対して自然言語処理と機械学習により、その悩みと一致する類似事例および育児支援を専門とする看護職者が考える対応策を、スマートスピーカーを用いて提供することで、母親の育児ストレスの軽減を図ることである。2021年度は、当初の予定では最終年度であり、機械学習による支援の効果検証を行う予定であったが、コロナ禍の影響による研究進行の遅れが生じ、最終年度を2022年度に延期した。 母親のデマンドを適切に充足する正確な応答を実現するためには、質問へのAIの応答精度を実装・普及に必要な95%以上にすることが必要であり、2021年度までに90%程度まで高めた。2022年度は95%以上を目指した。また、2021年度まで、育児支援の専門家によって各相談の深刻度を判定した上で、出現単語を用いたサポートベクターマシンおよびランダムフォレストを用いた場合と、大規模言語モデル(LLM:Large Language Model)であるBERTを用いた場合の性能の違いを評価した結果、BERTを用いた深刻度判別がもっとも高い性能を示した。LLMを利用することによる応答精度向上が期待できる見通しが持てたことにより、2022年度においてはGPT(Generative Pretrained Transformer)-2をベースにしたファインチューニングによって、積極的傾聴に重点をおいた実装の可能性を検討した。この検討の最終段階で、ChatGPT(GPT3.5)が公表された。これまでの経過をまとめ、報告するとともに、次の研究では、ChatGPT(GPT-4)の機能を取り込んだ新しいシステムの開発を目指して、本研究を終了した。
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