研究課題/領域番号 |
19K12249
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
藤村 直美 九州大学, 情報基盤研究開発センター, 学術研究員 (40117239)
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研究分担者 |
眞崎 義憲 九州大学, キャンパスライフ・健康支援センター, 准教授 (10437775)
多川 孝央 九州大学, 情報基盤研究開発センター, 准教授 (70304764)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | BYOD / LMS / 学習履歴 / 学習分析 / メンター制度 / 教育改革 / 授業改善 |
研究実績の概要 |
教育データを従来のシステム・サービスの範囲を越えて活用できるための条件を検討した。その結果、研究システムと運用システムの分離など、一定の方針を提案し、運用に反映されるようになった。また教育データを活用するための仕組みとしてのメンター制度および支援システムを実現する条件について、組織としての視点から検討を行った。LMSを中心として得られる教育データの分析と活用は、個々の授業の改善のみではなくカリキュラムの改善や学生個人の支援という形で有用なものとなる可能性が確認された。また、データの取り扱いについて規則としての問題や倫理的な問題が生じ得ること、大学内の異なるサービスを担当する組織間の連携が必要であることが明らかになった。これらについて整理を行い、情報システムの運用や情報倫理に関する研究会等で発表を行った。 また、大学当局への働きかけとして「教育データ利用審査委員会」を設置することを提案し、その結果、この委員会の構成員の選定とデータ活用のガイドラインの立案が行われるようになった。さらに、従来は特定の学部に属し、その内部の関係者に対してのみ教育改善を担当していたLA(ラーニングアナリティックス)センターの役割を再検討し、大学全体の学習分析を行い、教育改善を行い得る組織として位置付ける提案を行なった。これにより、大学内の授業に関する学習履歴データを收集するとともにこれを学習支援のみならず研究や学生生活支援に用いるための条件を整えることが出来た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
教育データを活用できるようにするための大学としての制度、体制、規則についてはある程度目処がついた。また教育データを活用すると、教員や学生にどのような良い影響を与うるかも見えてきたので、それらを踏まえて、研究会等で発表を行う予定であった。 しかしながら新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、研究会の開催が中止(論文集の発行だけ)、別の研究会は2日間開催の予定が半日に短縮された上でオンライン開催となったために、当初期待していたような十分な質疑を行うことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
1年目は制度的な問題を扱い、教育データを利活用できるように組織や規則の整備に注力した。 2年目は教育データを活用した「メンター制度」のプロトタイプを実現する。そのためにどういうデータ項目に注目すべきかの検討を行い、必要なデータ項目や提示方法についてデザインする。 最終年には試作した「メンター制度」を関係者で試験運用して、問題点を洗い出し、さらなる活用に結び付けられるような改善を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究発表を申し込んでいた研究会が新型コロナウイルスの感染拡大防止のために現地開催が中止になり、2月以降に予定していた出張が全て中止になった。
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