研究課題/領域番号 |
19K12254
|
研究機関 | 星槎大学 |
研究代表者 |
山田 雅之 星槎大学, 教育実践研究科, 准教授 (10610206)
|
研究分担者 |
大海 悠太 東京工芸大学, 工学部, 准教授 (60571057)
遠山 紗矢香 静岡大学, 情報学部, 助教 (80749664)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 学習支援システム / 熟達過程 / 協調学習 / アイスホッケー |
研究実績の概要 |
本研究はスポーツスキルの獲得場面における熟達過程の動作と発話の可視化システムの開発を目的としている. 2019年度はシステムの仕様を決定し,開発の一部を外部へ委託しシステム開発を実施した. 本研究では試験的な可視化システムへの入力データとしてすでに実験が終了しているデータを活用した.対象データはアイスホッケーのスラップシュートのトレーニング場面であった.この他に新たに協調的なスキル獲得場面として大学生2名のシュート実験・小学生と幼児のシュート実験・小学生と幼児の鉄棒スキル獲得場面の実験を実施した. 研究業績としては2件の報告を実施した. 本研究で開発したHDMi(ハドミ:発話と動作が見えるシステム)では,選手名と日付を選択することで下記の3種類のデータが読み込まれる.本システムでは過去の自身のデータや同じスキルの獲得を目指している他者のデータとの比較を可能にした.可視化した3種類のデータは「パフォーマンス」「認知的側面」「動作」であった.アイスホッケーシュート実験ではパフォーマンスのデータとして,測定可能なシュート速度と成功率や成功回数を表示した.認知的側面ではレポート記述を解析し,ネットワーク図を用いて示した.動作の可視化では,シュートの映像と,映像を OpenPoseを活用して動作解析した結果を表示した. 研究の進捗は2020年に予定していた実験を前倒して実施しており,概ね順調に進んでいる.2020年度は実験を継続しつつ,システムの入出力の自動化及び協調学習場面における動作と発話の関係について検討したい.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2019年度の研究計画の予定通り,システム構築及び既存データの入力については推進している. 予定していた実験については,大学生の協調的な実験と同時に,2020年度に実施を予定していた小学生を対象とした実験を前倒して実施した.またアイスホッケーのシュートスキル以外の鉄棒を対象とした実験についても実施した.
|
今後の研究の推進方策 |
2020年度に予定していた小学生及び大学生の実験を継続しつつ,本システムの評価を検証する.実際に実験場面においてシステムによるフィードバックが学習の支援になっている過程について検証し,より良いシステムへの改修を目指す.システムの改修については特定のスキル獲得場面において,どのような可視化が有効であるかの検討を踏まえたい. 現状のシステムでは入出力を手動で実施しているため,フィードバックまでのタイムラグが生じている.これらを自動化していくことで常に現場でフィードバックが可能なシステム構築を目指したい. これらの検証・改修を通じてスキル獲得過程における動作と理解の関係について検討したい.また上記の検討から得られた示唆を広く社会へ発信していくため,学会発表等の活動を継続する.
|
次年度使用額が生じた理由 |
年度末にかけて,感染症による在宅勤務等が発生し,実験予定についても変更を余儀なくされた部分があった.これに伴い予算の使用方法を急遽変更した部分もあった.そのため少額(539円)の端数について次年度使用額が生じた. 次年度使用額が少額であるため計画的に予算を使用していく予定である.
|