研究課題/領域番号 |
19K12262
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研究機関 | 松江工業高等専門学校 |
研究代表者 |
片山 優 松江工業高等専門学校, 電気情報工学科, 准教授 (30390488)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | モーションキャプチャ / 伝統工芸 / 紙漉き / 暗黙知的技能 |
研究実績の概要 |
本研究は,熟練者(職人)と未熟練者(弟子)による紙漉きの動作解析・比較を行い,定量的に第三者に伝えることが困難な職人の暗黙知的技能の継承を目的とし,その技能データを計測・解析し,後継者育成の手助けとなる指導方法および技能データベースの開発を試みるものである.本研究ではこれらのデータの定量化のため,モーションキャプチャリングや視線計測を行うことで,職人が有する技能の伝承に役立てることを目的とする.また,後継者育成を目的とし,センサを用いた紙漉き技能評価装置の開発も同時に行い,その性能評価を実施する. 2020年度はコロナウイルス対応で、本校は8月まで遠隔授業(登校禁止)体制であったため、年度初めに計画していた複数回の紙漉き計測が実施できていない。また、計測対象者である紙漉き職人も高齢者であるため、計測は11月の1回のみとなった。計測データを精査し、厚さ(厚手、薄手)、大きさ(大判、長判)の違いによる和紙の重さ、厚みを計測し、紙漉き技能の評価を行った。その結果、厚手の和紙のばらつきが大きくなった。理由として,繊維をより多く絡ませて厚さを出すためだと考えられる。また,和紙の重さの平均から1平方メートル当たりの和紙の重さを求めると大判の厚手が44.06g/m2,薄手が31.85g/m2,長判の厚手が56.07g/m2,薄手が45.20g/m2であった。 最終年度は、工房の弟子を対象に定期的に計測を行い、技能向上の度合いを評価していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
計測対象者の紙漉き職人が高齢者であること、コロナ対応で登校禁止期間が長く続いたことで予定よりも計測回数が少なくなっているため、当初計画より大幅に遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
高齢者である紙漉き職人のワクチン接種もままならい状況下であるため、弟子(30代男性)の技能向上に焦点を当て、月に1回を目安に定期的な計測を実施予定である。 最終年度は学外発表、論文投稿の準備を進めて行く予定である。
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