研究課題/領域番号 |
19K12264
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
羽山 徹彩 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (00432138)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | eラーニング支援 / 思考活動支援 / ビデオ視聴学習 / コンセプトマップ / ヒューマンコンピュータインタラクション / データマイニング |
研究実績の概要 |
本研究ではeラーニングで成果を挙げている優良な学習者の受講中の思考行為を分析することで,eラーニングに適した思考を促す学習行為指導モデルの開発を目的とする.今年度の研究実績としては,ビデオ視聴型学習において思考活動を支援するシステムを開発し,評価実験の実施した.さらに,それら研究成果をまとめて研究発表を行った. 本研究では学習者がメタ認知スキルと段階的思考法を継続的に活用することを促すために,コンセプトマップを利用したビデオ視聴型学習支援システムを開発した.学習者はマルチメディア学習において認知的負荷が掛かり,馴染みのない専門用語に対し,コンセプトマップを正確に作成することが難しい.それに対し,開発システムではコンテンツ中の発話テキストからコンセプトマップの構成部品を自動抽出し,学習者がそれをマウス操作で選択し操作しながら,コンセプトマップを作成することができる.そのため,開発システムを利用することで,学習者は学習動画視聴しながら,実時間でコンセプトマップを作成できる.さらに,学習動画に出現する専門用語をコンセプトマップのなかに正確に記述し,関連付けることができる. 評価実験では被験者9名に対し,開発システムを利用したビデオ学習が内容理解と満足度に対し有効であるかを検証した.その結果,コンセプトマップを利用した方が利用しない場合よりも,理解度と満足度が高いことを確認した.さらに,学習内容の理解度が高い被験者が作成したコンセプトマップは, リンク交差の数が少ないことが確認され,視認性が高いコンセプトマップを作成した場合に学習内容をより理解していることが示唆された. 以上の研究成果をまとめ,情報処理学会第82回全国大会で発表を行った.さらに,HCI International2020に採択され,2020年7月に発表予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り,eラーニングにおいて思考活動を支援するシステムを開発し,評価実験の実施して考察を行った.
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今後の研究の推進方策 |
eラーニング受講中の学習者の思考行為データ,学習履歴データ,学習成績データから模範的な思考行為のための指導モデルの開発する.eラーニング受講中の学習者に対し,模範的な学習者の思考行為を体現させるために,実際のeラーニング授業を通して得られた学習データから,模範的な学習者の思考行為のパターンを抽出し,思考行為指導モデルを開発する.
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度に使用するデバイスを今年度一括購入予定であったが,実際には試用のため一部だけ購入し次年度使用額が生じた.それらは予定通り、次年度使用する予定である.
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