研究課題/領域番号 |
19K12266
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
大囿 忠親 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90324475)
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研究分担者 |
新谷 虎松 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00252312)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 反転講義 / 拡張現実感 / エージェント |
研究実績の概要 |
音声明瞭性のモデル化に先立ち、対話形式の講義映像の作成における課題に着手した。具体的には、講義映像中の講師と対話するための仮想のエージェントを導入することにした。講師はエージェントと対話しながら講義を進めることで、講義映像における単調さを軽減することが狙いである。この時、講義映像作成における編集の負担軽減を考慮して、講師が講義をしながら仮想のエージェントの操作を可能とすることにした。別のユーザによりエージェントを操作させるには、事前の打ち合わせなどの準備が負担となると考えたからである。さらに、講義映像の作成後の編集作業により、対話形式の映像を作成するのは、講師にとって訓練が必要であり負担になると考えたからである。 講義が実環境において講義する様子を撮影することを想定しているため、実環境の映像内に仮想のエージェントを登場させる必要がある。本研究では、仮想現実感技術を利用することで、講義映像にエージェントを登場させるシステムを試作した。課題としては、対話型の講義を実現するための最低限の操作について検討した。これについては、エージェント間での質問応答のためのエージェント制御機構を開発した。また、エージェントの位置決め手法について検討した。位置を自動的に決めるために、講義映像内のスライド、黒板、ホワイトボードなどの位置を認識して、これらの位置からエージェントの位置を決定する方法を開発した。本研究に関連する成果を発表し高く評価された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
対話形式の講義映像の作成における課題を解決するためのに、講義映像中の講師と対話するための仮想のエージェントを導入するための要素技術を蓄積しつつある。関連する学会にて発表し、受賞(電子情報通信学会人工知能と知識処理研究会研究奨励賞)しており、高く評価されている。
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今後の研究の推進方策 |
音声明瞭性に関する課題の推進に先立ち、対話形式の講義映像の有効性を調べたい。そのために、講義映像作成支援システムを実装し、その有効性を評価する。予備実験として。研究実施者による講義を利用する。大学院生による模擬講義を行い、塾講師などでの講義経験などを考慮しつつ、本システムの初心者への有効性を検証する。ここでは、講義理解度への影響を調査する。そのために、視聴状況の収集機能を備えた講義映像ブラウザを実装する。ここでは、講義映像ブラウザの操作履歴、アノテーション・コメントを収集する。また、視線追跡装置を利用して、生徒が講義映像を視聴しているかを調べる。
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