研究課題/領域番号 |
19K12267
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研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
村川 猛彦 (田中猛彦) 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (90304154)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 学習支援システム / プログラミング / C言語 / 大学教育 |
研究実績の概要 |
前年度に開発したシステムについて,キー入力の獲得処理を見直すことで,様々なブラウザおよびキー配列で使用できるようにした.またプログラムファイルやSQLファイルを整理して,Dockerコンテナとして実行可能なようにし,ファイル一式を公開した.システムの改良と並行して,問題および解説文の作成と,Excelを使用した分析環境の構築を実施した. 本システムを,後期の1年次プログラミング入門科目(2020年10~11月)で使用してもらった.授業内容に沿った6問を出題し,記録をサーバに格納して,集計を行った.受講者を2群に分け,実験群ではプログラムコードの主要箇所のみを,統制群ではプログラムコード全体を,それぞれタイプさせた.問題ごとの所要時間と誤タイプ数,文字それぞれの1文字当たりのタイプ時間を算出したところ,実験群と統制群のいずれも,実施回数によりタイピング速度の向上が見られた.向上の度合いは,統制群の方がやや大きかったが,これは「#include <stdio.h>」といった定型句のタイピング時間の短縮が影響したものであった.また授業の最終回に,理解度テストを解答してもらった.結果として,一度も利用していない者よりも,システムを繰り返し利用した者が正答率が高くなった. 大学の授業における継続的なプログラミング学習を念頭に置き,1年次プログラミング科目(2020年10月~2021年1月)で学生に打ち込ませた各プログラムコードについて,トークン(「printf」「++」など)に分割してから集計を行い,特定のトークンに着目した出現状況を調査した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実施計画のうち,平成31年度および令和2年度の研究実施計画に述べた事項はおおむね達成できているため.
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度には,研究実施計画に基づき,問題および学習支援機能の充実,授業での実施および分析を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度においては,計画していた国際会議発表が行えず,また2021年3月に予定していた出張が新型コロナの影響でオンライン開催となり,その分の旅費を執行できなかった. 令和3年度は,新型コロナの影響には引き続き注意しつつ国内・海外の成果発表を積極的に行うようにし,システムの改修およびコンテンツの拡充に関して学生の協力を得ながら謝金支出の執行に努める.
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