研究課題
本研究では,学習管理システム(LMS)の学習ログをもとに,各学習者の「達成度」と「取り組み具合」の1週間の変化パターンを考察し,先延ばし行動などいくつかの学習行動タイプ別に学習者を分類する.学習行動タイプごとに分類された学習者群に対して,自己調整学習方略をもとにした学習支援を行うことで,学習者に適した学習支援を行うことができ,高い学習効果が得られることを明らかにする. 学習期間中のアクセスが集中する区間(タイムゾーン)のアクセス回数を特徴ベクトルとして,学習者の取り組み具合を表す指標として,先延ばし行動に着目し,考察した結果,テキストへのアクセス回数を特徴ベクトルに加えることにより,特徴のある2つのグループに分類可能で,2つのグループ間で,対象とした区間のクイズ得点平均点に有意な差が見られた.学習者がオンラインテキストのページへアクセスする順番は学習する過程を表す1つの特徴と考え,学習への「取り組み具合」を表す1つの特徴を表現できると考えた.学習者がオンラインテキストのページへアクセスする順番の変化は,DTW(Dynamic Time Warping)の値を採用した.様々な学習行動タイプへの分類を目指していたが,まずは先延ばし行動を行う学習タイプに着目して,先延ばし行動のために課題提出が間に合わない学習者と提出が間に合う学習者との分類を検討した.複数の特徴量で検討を行い,授業テキストに週で初めてアクセスした時刻,最後にアクセスした時刻,DTWを要素として,限られた環境下であれば再現率が1となる設定でも8割程度の精度で分類できた.課題の出来具合を学習の「達成度」の1つと考え,「達成度」と「取り組み具合」の関係性について検証するためにデータセットの構築を行い,ナイーブベイズで分類・予測できるか検討を進め,結果については研究期間終了後に発表する.
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INTED2023 Proceedings
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研究報告教育学習支援情報システム
巻: 2023-CLE-39 ページ: 1-6
研究報告インターネットと運用技術
巻: 2022-IOT-58 ページ: 1-4
日本教育工学会研究報告集 2022
巻: 4 ページ: 300-303