研究課題/領域番号 |
19K12279
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研究機関 | 東京通信大学 |
研究代表者 |
斉藤 典明 東京通信大学, 情報マネジメント学部, 教授 (70827930)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 学習支援 / 遠隔講義 / 個人適用型 / ネットワークサービス / メディア講義 / オンライン学習 |
研究実績の概要 |
2020年度は、新型コロナウィルス感染症対策の結果、本学だけなく、日本全国すべての大学でメディア講義が必要となり、通学制大学においてもメディア講義が急遽導入されるという社会情勢となった。このことを受けて、当初インターネットを介したメディア講義は、通信制大学における特別なアプローチと思われていたが、通学制大学においてもインターネットを活用したメディア講義への取り組みを真剣に考える社会情勢となった。そこで本研究では、半期全てをメディア講義を体験した通学制大学の学生に、メディア講義に対する受容性と本来の教室で受講するはずの講義スタイルとの比較などについてアンケート調査を行い、113名からの回答を得た。 アンケート回答を分析した結果、メディア講義に対する受容性は比較的良かったものの、メディア講義では質問のしにくさや、メディア講義が各自のペースで実施されることの弊害として、他の学生の様子がわからないことによる不安や孤独感が指摘された。このことから、メディア講義の受講中に感じる孤独感を解消するための一手法として、VR技術を取り入れることで他の受講者を感じる受講環境を試験的に構築した。 研究活動については、上半期全てをメディア講義で体験した通学制大学の学生へのアンケート調査結果についてはワークショップ発表、VR技術の活用については有識者による講演会の開催、VR技術を用いた受講環境のアイディアについては研究会発表、VR技術を利用した受講環境についてはデモシステムの試作を実施した。また、2019年度の検討結果については、2020年度の東京通信大学における公開講座および紀要にて発表した。 今後は、VR技術を活用した受講環境について検討を深める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症対策という社会情勢があり、メディア講義への期待と需要が当初の予定の範囲を超えるものとなった。そのため、研究の方向性の確認および方向修正を行ったため研究の遅れがでた。 具体的には、個人それぞれにメディア講義の見せ方を変えることよりも、メディア講義を受講している個々人が感じている、孤独感や不安感を払しょくし、メディア講義を受講し易くすることが緊急課題であることが判明した。 これを受けて、メディア講義の受講環境の再検討を実施した。
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今後の研究の推進方策 |
(1)2020年度の検討結果をまとめ、メディア講義が目指すべき方向性ついて明らかにし、検討結果を発表する。 (2)メディア講義の受講中に感じる孤独感や不安感、他の受講生とのインタラクション不足を解消することが可能な、VR技術を取り入れたメディア講義の受講環境を提案する。 (3)個人適用型メディア講義としてVR技術の適用の有効性について評価する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度は新型コロナウィルス感染症対策により、全国の研究発表会がおよび国際会議がオンライン開催となったため、出張旅費が不要になり支出計画に変更が生じたため。 また研究内容を見直したためデモシステムの試作および評価に予算を使用する予定。
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