研究課題/領域番号 |
19K12288
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
北原 鉄朗 日本大学, 文理学部, 教授 (00454710)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 即興演奏 / 旋律概形 / 旋律生成 |
研究実績の概要 |
即興演奏の自動生成に向け、旋律概形を入力として旋律を出力するモデルを畳み込みニューラルネットワーク(CNN)にて構築した。これまで、旋律概形からの旋律の生成は遺伝的アルゴリズムで行っていたが、学習時ではなく生成時に最適化を行うため、生成に時間がかかることが問題であった。本年度新たに構築したモデルでは、2層の畳み込み層と2層の逆畳み込み層からなるCNNを用いて、旋律概形から音符列への変換を行う。Weimar Jazz Databaseに収録されているブルースのメロディ96曲を用いて実験したところ、ブルーノートスケールが旋律に用いられるなど、一定の合理性のある結果が見られた。 その他、音楽理論GTTMをPythonで実装し、オープンソースソフトウェアとして公開するなどの活動も行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の影響で人を呼んで実施する実験が困難になってしまった。そのため、手持ちのデータベースに、市販の電子楽譜を読み取ってデータの拡充を図り、それらのデータでできる研究開発を優先して実施することとした。その結果、即興演奏の自動生成などに関しては一定の進捗が見られた。一方、当初予定していた、演奏経験者を実験室に呼んで実施する演奏データの収集および評価実験が、現在において実施できておらず、研究の進捗に多少の遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
演奏経験者に協力を依頼し、演奏データの収集および実験や評価を実施することを主眼とする。一方、近年はクラウドソーシングが一般化し、実験室に来なくてもデータの収集や評価ができる仕組みが整いつつある。そこで、自動生成された演奏データの主観評価、さらなる演奏モデルの改善のための音楽経験者による演奏データの収集を、おもにクラウドソーシングを活用して実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
参加を予定していた学会がすべてオンラインになり、旅費の支出が減少したこと、実験協力者を招いての実験ができなかったために、謝礼金の支出が減少したことから、次年度使用額が生じた。これらの残額については、自動生成された演奏データの主観評価、音楽経験者による演奏データの収集を行った際に、協力者に支払う謝礼などに用いる予定である。
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