研究課題/領域番号 |
19K12291
|
研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
THAWONMAS Ruck 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (50320122)
|
研究分担者 |
原田 智広 首都大学東京, システムデザイン研究科, 助教 (40755518)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 対戦格闘ゲーム / プラットフォームゲーム / アクションパズルゲーム / モンテカルロ木探索 / ゲームプレイ / ハイライト / PANAS / 感情 |
研究実績の概要 |
「観戦者のポジティブな感情を増加し,逆にネガティブな感情を軽減する」ゲームプレイをどう自動生成するか.「観戦者のゲームプレイへの参加を促す仕組み」及び「同仕組みと自動生成との連動」をどう実現するか.これらの問いに挑むために,プラットフォームゲームのRunner, 対戦格闘ゲームのFightingICE,アクションパズルゲームのScienceBirdsの3つを対象に研究を行った.以下は「問い」ごとに述べる.
「問い1」:健康増進に関する研究のために設計された2ゲームであるRunner[1]を開発した.さらに,プレイヤーのポジティブな感情を増加させるために笑顔による特別モードを追加実装した[2].ScienceBirdsではドミノ効果を備えるレベルを自動生成法を提案した[3].ポジティブアンドネガティブアフェクトスケジュール(PANAS)を使用して調査を行った結果,閲覧者のネガティブな感情を有意差ありで減少させることが示された.さらに,笑顔を奨励する仕組みを導入して,同様にPANASで検証した結果,有意にポジティブな感情の増加及びネガティブな感情の軽減が確認できた[4].
「問い2」:ハイライト生成の観点からアクションを選択するFightingICEのAI[5]を提案した.同AIによって生成されたゲームプレイは既存のモンテカルロ木探索(MCTS)のAIより面白いという結果が得られた.また,観客のゲーム体験がAIによるゲームプレイの楽しみに影響するかどうかを分析した結果,提案AIによるゲームプレイはゲームの経験の量に関係なく楽しいことが確認できた[6].さらに,プレイヤーにバランスのとれた体の部分を使用するように促す仕組みを提案した[7].既存仕組みに対してプレイヤーの動きをより正確に予測する手法を導入することで既存手法と比較してより有用であることが確認できた.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究業績[6]については「The IEEE GCCE 2019 Excellent Poster Award Outstanding Prize」を受賞しており,研究業績[5]と[7]はゲーム技術に関するトップの国際会議で所属大学のゲーム技術分野に関する世界ランキング(執筆時点で41位) http://www.kmjn.org/game-rankings/ に貢献している.
|
今後の研究の推進方策 |
ゲームごとに以下に述べる. Runner:音楽と健康に関する既存研究に基づき,ゲームプレイの状況に応じた深層学習による背景音楽の自動生成システム開発に着手する. FightingICE:同様に音楽と健康に関する既存研究に基づき,特にラップ(rap)に着目し,ラップ風のコメントの自動生成システムを開発する. ScienceBirds:歌と健康に関する既存研究に基づき,プレイヤーの歌でプレイが展開される仕組みの構築に着手する.
|
次年度使用額が生じた理由 |
誤差範囲の残額を次年度にて有効に活用するため.
|