研究課題/領域番号 |
19K12293
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
林 武司 秋田大学, 教育文化学部, 教授 (60431805)
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研究分担者 |
安原 正也 立正大学, 地球環境科学部, 教授 (40358205)
中村 高志 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (60538057)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | マルチトレーサー法 / 都市域 / 地下水流動 / 環境同位体 / 人工甘味料 / PPCPs / 地下水年代 |
研究実績の概要 |
本研究は,都市域における地下水流動機構の実態を把握するためのマルチトレーサー手法を開発することを目的としている.研究期間の初年度として,本年度には地下水流動方向に沿った調査測線および調査地点(井戸)を確定し,地下地質構造の把握や主要な帯水層の区分を行うとともに,現地調査を実施して水試料を採取し,各トレーサーの性状を把握する予定であった.しかし,当初に予定していた主要調査地点を利用できなくなったことに伴い,調査測線の見直しが必要となったことから,研究分担者と協議しながら調査地点ならびに調査測線を再検討した.その後,再検討結果に基づいて現地視察を実施したうえで査地点を確定する予定であったが,COVID-19の流行により現地視察を実施できない状況となった.このため,調査地点ならびに調査測線の確定には至っていない.なお,地下地質構造の把握や主要帯水層区分に関しては文献・資料を収集し,整理・解析を進めている.その結果,地下地質構造の概要を把握できた.帯水層分については,調査測線の確定後に詳細を検討する必要がある.また本年度には,研究体制の強化を実施した.具体的には,マルチトレーサー手法の開発において重要なトレーサーである人工甘味料や医薬品・生活関連物質(以下,PPCPs)に関して,豊富な知見を有する研究者2名を新たに研究分担者として迎え入れた.これによって研究体制が強化され,水試料の分析や取得されたデータの解析に関する環境がより充実した.このことから,より多くの研究成果を得られるようになったと期待される.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は,首都圏に属する地域であり,東京都および埼玉県にまたがる武蔵野台地ならびに周辺地域を研究対象地域としている.上述したように,当初に予定していた調査地点(井戸)を利用できなくなったことにより,調査地点ならびに調査測線を再検討することとなった.再検討結果に基づき,降水や人間活動の影響の少ない晩冬~春季に現地を視察して実際の状況を確認する予定であったが,COVID-19の流行により,現地視察を実施できていない.またこのため,現地調査による水試料の採取・分析も未着手である.一方,地下地質構造の把握ならびに主要な帯水層の区分については上述した通りであり,特段の問題なく進行している.
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今後の研究の推進方策 |
引き続き,調査地点や調査測線等について研究分担者と協議を重ねつつ,現地視察ならびに現地調査の準備を進める.COVID-19の流行が改善して現地調査が可能となった時点で,速やかに現地を視察して調査地点を確定する.また,これにあわせて地下地質構造および主要帯水層の区分を行う.なお,現地調査の実施については,調査対象の所有・管理者の状況や天候等を考慮して時期を決定する.
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究では,現地調査ならびに各種トレーサーの分析に予算の多くを割り当てている.前述の通り,現地調査を実施できていないことから,予算の多くが未使用となっている.今後, COVID-19の流行が改善して現地調査が実施可能となった時点で,現地調査等を実施して予算を執行する.なお,新たに研究分担者2名を迎えたことにより,予算の再分配を行っている.
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