研究課題/領域番号 |
19K12297
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
岩本 洋子 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 准教授 (60599645)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 燃焼起源エアロゾル / 微量金属成分 / 主要イオン成分 / 粒径分布 / 濃縮係数 / 固定発生源 / 瀬戸内海 |
研究成果の概要 |
燃焼起源鉄を含む大気エアロゾル粒子のエイジング過程を明らかにするため、燃焼起源鉄の発生源に近い沿岸サイトと海陸風循環の影響を受ける内陸サイトにおいて採取した大気エアロゾル試料の分析を行なった。水溶性Feは非海塩性硫酸塩との濃度の相関が高く、人為起源の寄与が大きいことがわかった。また、多成分との濃度の相関や形態観察から、輸送中に水溶性Feと人為起源の硫酸塩との混合(エイジング)が進んだことが確かめられた。沿岸サイト近傍の主要な燃焼起源鉄の固定発生源である製鉄所は、観測期間中に高炉を停止した。これに伴い、沿岸サイトのエアロゾル中のFeは、全量で70%、水溶性で53%減少した。
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自由記述の分野 |
大気海洋化学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
鉄は、海洋による炭素吸収の一部を担う植物プランクトンの生長を支える必須元素である。大気中の燃焼起源鉄は人為起源の酸性物質と共存する機会が多く、より溶けやすい生物利用可能な鉄の海洋への供給源として着目されている。本研究課題は燃焼起源鉄の主要な発生源に近い瀬戸内海の沿岸サイトと海陸風循環の影響を受ける内陸サイトにおいて、大気中の鉄を含む微粒子の動態を観測し、大気輸送中に燃焼起源鉄と人為起源の酸性物質との混合が進むことを確かめた。また、製鉄所の高炉停止という燃焼起源鉄の主要な発生源の消失が、大気エアロゾル中の鉄濃度を顕著に減少させることを確かめた。
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