研究課題/領域番号 |
19K12298
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
笠原 玉青 九州大学, 農学研究院, 准教授 (10622037)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | headwater streams / in-stream processes / nitrogen / hyporheic zone / benthic zone / riparian zone / runoff |
研究成果の概要 |
流域面積の大部分は山地に位置し、山地河川が河川の流路長に占める割合は大きい。山地河川の水質形成機構を明らかにすることは、下流の水質管理においても重要である。本研究は、山地河川の水質は流域斜面からの流入のみが制御しているのではなく、流路内プロセスも大きく影響を与えていることを明らかにした。山地河川は地形が複雑で堆積土砂の透水性が高いため、流量の10%以上が100m区間で河川間隙水域と水交換する。表流水の流入が多い河川間隙水域は、陸生有機物の貯留・分解の場として機能していて、生物活動が活発である。その結果、無機態窒素の取込の場でもあり、山地河川の流路内プロセスを担っていることが分かった。
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自由記述の分野 |
河川水文・生物地球化学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
下流河川への水、土砂、栄養塩などの物質の供給源である山地河川であるが、その水質は、流域斜面からの流入だけでなく、流路内での物質循環プロセスによって制御されていることが本研究で明らかになった。流路内プロセスには、流路から広がる飽和土砂堆積域(河川間隙水域)が重要で、落葉など山地河川に生息する生物の重要な餌資源を貯留・分解する場、そして無機態窒素などの栄養塩の循環を促進する場としても機能していることがわかった。複雑な地形と高い透水性によって維持される河川間隙水域の広がりは、山地河川の水質形成、特に平水時に、大きな影響をもつ。
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