研究課題
基盤研究(C)
本研究では、海流とモンスーン変動を鋭敏に記録している東シナ海および日本海で採取された海洋コアの花粉分析に基づき、過去5回の氷期-間氷期変動における植生の温暖化応答を解明した。国際深海科学掘削計画(IODP)Exp.346で採取された40万年間におよぶ東シナ海U1429コアについて、花粉分析を実施した。さらに、植生と海流・モンスーン変動との因果関係を解明するため、鳥取沖で採取されたIODP Exp. 346 U1427コアの花粉分析と日本海変動プロキシデータの比較研究を進め、因果解析を行った。
古生態学 森林動態 花粉分析
将来の温暖化による植生影響を予測するためには、植生と大気・海洋システムとの因果関係の把握が必要である。本研究では、過去の氷期-間氷期変動における多様な温暖気候化における植生の応答を解明し、植生と海流・モンスーンとの因果関係を把握することができた。過去の温暖期におきた環境変遷の解析をとおして、将来の温暖化による日本の植生への影響について正確な予測に貢献する知見を得ることができた。