B6C3F1メスマウスに低線量率放射線を照射すると高率で脂肪肝を発症するが、これには照射によるROS産生とこれに伴うインスリン抵抗性(IR)の惹起等の代謝変化が関係していると仮説を立てた。本研究では、3T3-L1細胞が脂肪細胞に分化する系を用い解析を行った。照射された細胞では、ROS産生に関わる遺伝子及び脂肪細胞分化に関与する遺伝子の両者が発現増加した。このうち、脂肪細胞分化に関与する遺伝子発現はDNAメチル化により制御されていた。また、別系統マウス(C3H)においても、照射によりIRが惹起されることが確認できたため、本研究で着目した事象は系統差によらないメスマウスで一般的な事象と考えている。
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