子ども期放射線被ばくは発がん影響が懸念される。カロリー制限は、古くから発がん低減効果があると知られて、我々も成体期からのカロリー制限が子ども期放射線被ばく誘発マウス肝がんの発生を遅らせることを報告した。しかし、放射線誘発肝癌発生のメカニズムと、カロリー制限の発がん抑制メカニズムの完全解明に至ってない。本研究は肝がんマウスモデルを用いて、被ばくは肝臓細胞の脂質代謝を制御する因子Ppargの特異的な増加を引き起こし、NASH様病変と肝癌発症の早期化を誘発することを見出した。また、生じた肝がんのゲノム変異が多数検出されて、特にMAPK経路の癌遺伝子の早期変異がマウス肝がんの特徴であることを見つけた。
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