研究課題
リボヌクレオチドは、ゲノムDNAの複製中にしばしばDNAポリメラーゼによってDNA中に取り込まれることがある。それらは通常リボヌクレオチド除去修復 (RER) によって除去されるが、RER欠損下ではゲノム上に蓄積したリボヌクレオチドによって様々な細胞異常が引き起こされる。本年度は、RERに必須の役割を果たすRNase H2の機能を低下させた細胞株において、次世代シーケンサーを用いた全ゲノム変異解析、ならびにDNA損傷応答に関わる因子の活性化に関する解析を行った。第一に全ゲノム解析の結果として、主に塩基置換を中心とした変異パターンが可視化された。第二に、ウエスタンブロッティング及び免疫染色法を用いてヒストンH2AXならびにCHK2のリン酸化レベルを定量した。その結果、野生株と比較してH2AXならびにCHK2双方のリン酸化の上昇がみられた。これらの結果から、RNase H2の発現低下を起因として、DNA二本鎖切断によるDNA損傷応答の活性化ならびにゲノム変異の上昇が示唆された。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (10件) (うち招待講演 2件) 備考 (1件)
Mutation Research/Genetic Toxicology and Environmental Mutagenesis
巻: 887 ページ: 503608~503608
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https://uralab.wordpress.com/2022/11/17/2/