現在、妊婦の魚介類摂取による低濃度メチル水銀(MeHg)の胎児神経発達への影響が懸念されている。本研究では、in vitro神経分化系を用いて神経分化における低濃度MeHgの神経影響とそのエピジェネティクスメカニズムを検討した。MeHgの神経突起伸長抑制にDNMT1とHDAC3および6の上昇を介したエピゲノム変化が重要であることを見出した。さらに、MeHgの神経突起伸長抑制と神経活動低下に関連する標的遺伝子としてNR4A1を見出し、NR4A1遺伝子プロモーター領域のヒストンH3アセチル化の低下、DNAメチル化の上昇と、それに伴うCREBのNR4A1遺伝子プロモーターへの結合阻害を見出した。
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