ナノ粒子は、その特有の性状から光触媒、化粧品、種々の工業製品、食品など様々な分野で利用されている。一方で、これらのナノ粒子の毒性については未解明の部分が残されている。我々は、これまでに様々なナノ粒子の妊娠期曝露が児の脳神経系の機能に影響を及ぼすことを明らかとしてきた。しかし、その健康影響の発生メカニズムはまだ不明な部分が多い。 本研究はナノ粒子により生じる慢性炎症に着目し、ミクログリアにおいて発現量の増加する炎症性サイトカインについて検討したものである。本研究で見出された炎症性サイトカインについて、脳神経系に引き起こす健康影響を検討することでナノ粒子の毒性の回避につながることが期待される。
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