研究課題
基盤研究(C)
本研究では、化学物質とスプライシング機構との関連性を明らかにすることについて検討を進めた。その結果、mRNAのスプライシングに関わる因子(SRSF5)を制御することにより、化学物質(亜ヒ酸を中心に)の毒性に関わる因子を同定することができた。同定された因子が転写因子であったことから、本転写因子の下流に位置する遺伝子群のどれが、化学物質の毒性を規定する因子かについて検討が必要である。
毒性学
本研究の成果は、新しい手法による化学物質の毒性関連分子を特定できたことにある。ヒ素化合物を中心に検討を進め、ヒ素の毒性を規定する因子として転写因子FOXA1を見出した。ヒ素による中毒発症は世界的な問題として扱われることから、毒性発現に関わる分子の同定は、学術的・社会的から意義が高い。本法は、農薬や食品添加物など生活に密着している化学物質についても応用可能であり、社会に求められる情報を提供できる。