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2021 年度 実績報告書

損傷乗り越えDNA合成を介したアクリルアミド誘発突然変異の分子機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 19K12348
研究機関国立医薬品食品衛生研究所

研究代表者

赤木 純一  国立医薬品食品衛生研究所, 病理部, 主任研究官 (60512556)

研究分担者 横井 雅幸  神戸大学, バイオシグナル総合研究センター, 准教授 (00322701)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードアクリルアミド / グリシドアミド / 損傷乗り越えDNA合成 / 遺伝毒性
研究実績の概要

食品中に非意図的に生じる遺伝毒性発がん性物質であるアクリルアミドはシトクロムP450 2E1によりグリシドアミド (GA) に代謝され、主に2′-デオキシグアノシン(dG)のN7位に反応してN7-(2-carbamoyl-2-hydroxyethyl)-dG (GA7dG)を生じる。GA7dGはアクリルアミド反復投与によりゲノムDNA中に蓄積するが、脱塩基しやすいためGA7dGがアクリルアミドの遺伝毒性および変異原性にどのように寄与するかは明らかとなっていない。我々は2′-deoxy-2′-fluoroarabinoguanine (dfG) を用いてGA7dGの安定化アナログであるGA7dfGを作成し、シャトルベクターを用いてヒト細胞内におけるGA7dGによるDNA複製および突然変異誘発への影響を解析した。これまでの研究で、GA7dfG鎖では損傷のないdG鎖およびdfG鎖と比べてDNA複製効率が半分以下に低下し、複製産物においてGA7dfG部位特異的な塩基置換変異が見られたことから、損傷乗り越え複製(TLS)により点突然変異が誘発されると考えられた。そこでGA7dfGによる突然変異誘発に寄与するTLSポリメラーゼを明らかにするため、ゲノム編集によりPolη、Polι、Polκ、およびREV1のノックアウト細胞を作出し、GA7dfG鎖の変異頻度を測定した。その結果、PolκおよびREV1ノックアウト細胞ではGA7dfG部位特異的な点突然変異の有意な低下が見られ、変異スペクトラム解析ではGA7dfGに対するTおよびGの取り込み頻度の低下が見られた。一方で、PolηおよびPolι欠損細胞では変異頻度に有意な差は見られなかった。以上より、PolκとREV1はアクリルアミド曝露によりゲノムDNA中に生じたGA7dfGによる点突然変異に寄与すると考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 2021

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 損傷乗り越え型DNAポリメラーゼPolκとREV1はグリシドアミドN7位デオキシグアノシン付加体による点突然変異に寄与する2022

    • 著者名/発表者名
      赤木純一,横井雅幸,Young-Man Cho,岩井成憲,花岡文雄,菅澤薫,小川久美子
    • 学会等名
      日本薬学会第142年会
  • [学会発表] グリシドアミドN7位デオキシグアノシン付加体による点突然変異に寄与する損傷乗り越え型DNAポリメラーゼの解析2021

    • 著者名/発表者名
      赤木純一, 横井雅幸, Young-Man Cho, 岩井成憲, 花岡文雄, 菅澤薫, 小川久美子
    • 学会等名
      第44回日本分子生物学会年会

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公開日: 2022-12-28  

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