研究実績の概要 |
昨年度は、人工衛星データの海上風(ASCAT)をマイアミ大学で開発された波浪モデル(UMWM)に与え、風波に伴う質量輸送(ストークス・ドリフト)を算出した。計算期間は2014年の一年間である。 本年度は、海洋再解析データ(HYCOM)の流速データを各水深(0, 2, 4, 6, 8, 10,12, 15, 20, 25, 30m)で取得した。また、取得した流速データと上記の算出したストークス・ドリフトと比較を行った。さらに両者を組み合わせることで、海洋表皮層の新たな三次元的流れ場のデータセットを構築した。 冬季の季節風が卓越する期間において、ストークス・ドリフトは再解析データの海面流速(すなわち、従来の海流系)に匹敵する大きさを持つことが分かった。したがって、ストークス・ドリフトが海洋表皮層を浮遊するマイクロプラスチックの挙動を大きく変えることが期待される。成果の一部は、日本地球惑星科学連合2020年大会で発表した。
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