研究課題/領域番号 |
19K12375
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪府立環境農林水産総合研究所(環境研究部、食と農の研究部及び水産研究部) |
研究代表者 |
和田 匡司 地方独立行政法人大阪府立環境農林水産総合研究所(環境研究部、食と農の研究部及び水産研究部), その他部局等, 主任研究員 (00413766)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 発生源対策 / ダストモニタ / ばい煙 / 性能評価 |
研究実績の概要 |
微小かつ低濃度のばい煙に対応した評価手法を構築することを目的に、①【基本性能の確認】、②【高精度気流管理機構の構築】、③【高安定性濃度供給機構の構築】、④【ダストモニタ用評価測定部の作成】、⑤【実機を用いた実測予備試験】、⑥【性能評価試験】の各項目について取り組み、完成を目指す。本年度は、上記①、②、③、④に取り組んだ。 【①基本性能の確認】現有の評価装置を微小かつ低濃度のばい煙に対する性能の評価という観点で使用するため、基本性能を把握する必要がある。基本性能として、ばい煙濃度、流速の設定範囲、質(時間的及び空間的な安定性)を測定した。 【②高精度気流管理機構の構築】低濃度ばい煙での測定を実現するには、より高度な気流安定性の確保が必要になる。整流のため、整流格子、整流網を試作し、効果の確認を行った。 【③高安定性濃度供給機構の構築】低濃度ばい煙での測定を実現するには、濃度安定性(時間的、空間的に変動がない)が最も重要かつ難しい課題である。より微量供給制御できる機構(スクリュ制御式、シリンジ供給式、ブラシ供給式、流動層式)について供給精度を評価した。 【④ダストモニタ用評価測定部の作成】光散乱式・光透過式・摩擦静電気式のいずれにも対応できる「評価測定部」を作成した。特に、光透過式では、十分な光路長を確保する必要があるため、反射鏡により煙道内を複数回通過させられるようにした。測定フランジは上下奥行に対して複数個設置し、風速・ダスト濃度の分布を5断面で測定できるようにした。装置はフランジ付配管を接続して構成されており、新たに設計した評価測定部を既存のパートと組み替えて使用できるようにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね計画通りに進んでいる。一方で、評価するダストモニタが静電気検出方式の場合に、試験ダクト内で発生するダストの帯電が、指示値に干渉することが分かってきた。評価手法の構築のためには、ダストの帯電過程をについて検証し、帯電の制御もしくは把握していく必要性が明らかになってきた。今後は、ダストの帯電についても検討項目として追加して進めていく。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、②【高精度気流管理機構の構築】、③【高安定性濃度供給機構の構築】の項目について引き続き取り組む。追加の検討項目として、ダストの帯電量の変動が、ダストモニタの指示値に干渉し、評価に影響を及ぼすことが分かってきた。ダストの帯電低減及び、ダストの帯電量を同時に測定する方法を考える。さらに、⑤【実機を用いた実測予備試験】にも取り組み、実機を用いて測定を試みる。 以上の手順で、微小かつ低濃度のばい煙に対応した評価手法の完成を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 国際共同研究強化(A)の申請をしたため、採択の如何によって物品購入計画の変更の可能性があり、一部、購入予定品を来年度に回すこととした。 (使用計画) 次年度の消耗品費として使用する予定である。
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