研究課題/領域番号 |
19K12379
|
研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
片岡 良太 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (00635104)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 植物生育促進内生細菌 / ウリ科植物 / Curtobaerium属菌 / Microbacterium属菌 / Brevibacillus属菌 / Paenibacillus属菌 / Bacillus属菌 |
研究実績の概要 |
ファイトレメディエーションは分解除去に時間がかかるなど汚染現場での応用利用には課題(短所)がある。しかし、植物と植物生育促進微生物を巧く組合せることでファイトレメディエーションが持つ短所を克服し浄化機能の向上が期待できる。そこで、本研究では、ウリ科植物によるPOPsのファイトレメディエーションを生育促進微生物と土壌微生物によるバイオアベイラビリティーの向上という2つの側面から機能強化させることに取り組んでいる。 パキスタンから輸入した土壌中のDDTsを分析したところ、DDTsとして0.7mg/kg残留しており、0.4 mg/kgのDDT、0.2 mg/kgのDDE、0.1mg/kgのDBPが残留していた。また、これまでに分離していたウリ科植物内生細菌650株から植物生育促進活性を有する菌株を選抜することに成功した。特にCurtobaerium属菌No.4株、Microbacterium属菌No. 227株、Brevibacillus属菌72株、Paenibacillus属菌167株、Bacillus属菌193株をウリ科植物に感染させることで、根の伸長を著しく促進した。この促進効果は、小スケール(バイアル)から大スケール(野外実験)を通し共通して得られている。また、No. 4株とNo. 227株では植物生育促進微生物の促進メカニズムとしてIAA生産やシデロフォア生産、ACCデアミナーゼ、窒素固定、リン酸可溶化能を検討したところ、両菌株ともにIAA生産能とACCデアミナーゼ活性、リン酸可溶化能を有していることが確認され、72株、167株、193株ではそれに加えてシデロフォア生産能も確認された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
パキスタンから輸入した土壌中のDDTS残留量を把握することができ、ウリ科植物の生育促進効果を有する内生細菌を選抜することに成功した。
|
今後の研究の推進方策 |
選抜した内生細菌を感染させて、POPs吸収能に与える影響を検討し、感染時に発現する遺伝子の解析を実施する。
|