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2021 年度 実施状況報告書

生物・凝集処理を同時に行う染料廃水の省エネ・ゼロエミッション型廃水処理装置の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K12392
研究機関香川高等専門学校

研究代表者

多川 正  香川高等専門学校, 建設環境工学科, 教授 (30390511)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード染色排水 / DHS / 脱色
研究実績の概要

高濃度の排水処理に適応可能な嫌気性DHS(Down-flow Hanging Sponge)リアクターによる脱色の特性を把握した。嫌気性DHSリアクターは、直径0.3m,高さ0.8m,全容量56.5Lの円筒型で、G3.3型スポンジを1,000個充填(スポンジ担体積み上げ高さ0.7m)し、水循環運転にてスポンジの疎水性を低減させた後、植種汚泥として都市下水消化汚泥を194.6g、循環運転にてスポンジに付着させた。リアクター下部には簡易沈殿槽(全容量15L)を設置し、リアクターを通過した排水の上澄液が処理排水として排出される。嫌気性DHSリアクターによる染料排水への脱色効果を確かめるため、タイの染色工場にて使用される6つの染料(赤,青,黒,黄,橙,青緑)を懸濁した模擬染料排水(最終濃度:0.2g/L)を60 L作製し、循環通水運転を行った。性能評価は循環通水運転開始から所定の時間経過した模擬染料排水をサンプリングし、5C濾紙にて濾過前・後の排水の着色度, CODcr, 排水温度,pHを測定し、着色度除去率、CODcrの分析結果から実施した。
1回目の循環通水実験では、濾過した模擬染料排水の着色度は開始時5,975に対して時間の経過に伴って着色度は低下し、48時間経過後には3,830(除去率35.9%)、120時間経過後には3,049(除去率49.0%)の脱色性能を確認できたが、タイの排水基準値の着色度約300をクリアすることはできなかった。CODcrの濃度に関しては、開始時68 mg/Lに対して時間の経過に伴って濃度は上昇し、120時間経過後には308 mg/Lに増加した。
脱色性能の向上には、スポンジ担体に捕捉される嫌気性微生物と排水との接触効率を向上させる改良や、嫌気性微生物の共代謝を促すような基質(工場で調達可能な有機性排水など)の添加などを検討する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

海外での実験が新型コロナウイルスの渡航制限により実施できていない。さらに染料の分解性・脱色がかなりの難分解性であることが判明し、脱色に関与する微生物叢の構築に長時間かかっている。

今後の研究の推進方策

嫌気性DHSを用いた連続処理実験に加えて実験室内で完全混合型の好気性、嫌気性の染色排水処理の培養を行い、脱色に関与する微生物叢の構築を行い、次世代シーケンサーによる解析を行うと同時に嫌気性DHSに植種汚泥として用い、早期の立ち上げを行う。海外での実験に関しては9月までに対応可能性を判断する。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルスの渡航制限による研究遅延と1年間の研究の延長になったため。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 2021

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 高濃度染料排水を対象とした嫌気性DHSリアクターによる脱色特性2022

    • 著者名/発表者名
      多川正、岡元雄哉、宮下捺美
    • 学会等名
      第56回日本水環境学会年会
  • [学会発表] タイ王国の染色工場にて使用される染料の生物学的脱色特性の把握2021

    • 著者名/発表者名
      宮下捺美、井口愛恵、多川正
    • 学会等名
      令和3年度土木学会四国支第27回技術研究発表会

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公開日: 2022-12-28  

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