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2021 年度 実績報告書

中度好塩性細菌におけるアミノ酸代謝制御機構の解明とリサイクルバイオ技術への応用

研究課題

研究課題/領域番号 19K12400
研究機関長崎大学

研究代表者

仲山 英樹  長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(環境), 教授 (30324982)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード好塩性細菌 / リサイクルバイオ技術 / アミノ酸代謝 / 適合溶質 / 廃バイオマス / 不揮発性腐敗アミン / 浸透圧調整物質 / 細胞工場
研究実績の概要

本研究では、H. elongata が高塩濃度下で優先的にエクトイン(ECT)を生合成するための鍵となるアミノ酸(AA)代謝制御機構を解明することを目的とした。特に本研究では、ECT生合成系を欠失したH. elongata KA1株を親株として、ECT以外のAA類が過剰蓄積した突然変異株を選抜し、変異遺伝子が関与するECT生合成に最適化されたAA代謝制御機構を解明して応用することにより、廃バイオマス中のC・N源をECT等の機能性AA類に再資源化するリサイクルバイオ技術の基盤を構築することを目的とした。
H. elongata OUT30018株を細胞工場とすることにより、廃棄バイオマスとして、鶏糞や醤油粕の加水分解物や不揮発性腐敗アミンであるヒスタミンやチラミンからECTを生産できることが明らかとなった。また、H. elongata OUT30018株のectDとdoeAを両方欠失した変異株においてECTの生産性が向上することが示された。
次世代シーケンサを用いて、H. elongata OUT30018株とGOP株との全ゲノム配列の比較解析を行った結果、ECTの代わりにグルタミン酸(Glu)を過剰蓄積できる自然突然変異株のGOP株ゲノム上における点変異部位を複数同定した。しかしながら、点変異の挿入箇所にGluの生合成や分解に関与することが示唆される代謝関連遺伝子を発見することはできなかった。そこで本研究では、ECTの代わりにGlu以外のAAが過剰生産できるか検討した結果、Glu脱炭酸酵素(GAD)システムの導入により、浸透圧調節物質としてGABAを生産するH. elongata 細胞工場の開発が可能であることが示唆された。今後は、ECTを代表とするアスパラギン酸系のアミノ酸類以外にも、Glu系アミノ酸類を生産するH. elongata細胞工場の開発研究の発展が期待できる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2021 その他

すべて 学会発表 (3件) 備考 (3件)

  • [学会発表] フィターゼを細胞表層に提示した単細胞エコフィードの開発に資するハロモナス由来のフィターゼ遺伝子の探索2021

    • 著者名/発表者名
      鄒子燕,仲山英樹
    • 学会等名
      第58回化学関連支部合同九州大会
  • [学会発表] Development of Halomonas elongata cell factory, which produces GABA in the cell and displays phytase on the cell surface2021

    • 著者名/発表者名
      Ziyan Zou, Hideki Nakayama
    • 学会等名
      73rd SBJ Annual Meeting (2021)
  • [学会発表] 中度好塩性細菌Halomonas elongata における不揮発性腐敗アミンを単一炭素・窒素源としたエクトイン生産2021

    • 著者名/発表者名
      仲山 英樹, 河本 亮, 三好 勝之
    • 学会等名
      第73回日本生物工学会大会(2021)
  • [備考] 長崎大学総合生産科学域(環境科学系)環境生物工学研究室

    • URL

      https://nakayamalab.com

  • [備考] 未来海洋イノベーション機構

    • URL

      https://www.nagasaki-u.ac.jp/marine/

  • [備考] 長崎大学水産環境・科学総合研究科

    • URL

      https://www.fe.nagasaki-u.ac.jp/

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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