研究課題/領域番号 |
19K12413
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
乃田 啓吾 岐阜大学, 応用生物科学部, 助教 (60646371)
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研究分担者 |
木村 匡臣 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (80725664)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 水環境 / 湿地 / 水質浄化 / 生態系サービス / 農地 |
研究実績の概要 |
本研究では、人々の生活と農業における水利用の関わりが深い、モンスーンアジアの水稲栽培地域における七の水質浄化機能のメカニズムを解明する。従来の湿地の水質浄化機能評価は、機構、湿地の地形等の自然条件のみによって行われていたのに対し、本研究では、都市部から排出される汚濁負荷と農村部から供給される希釈水を考慮し、その湿地域の水質浄化機能への影響を明示的に評価できる点が特色である。本研究により得られる知見は、従来方法による湿地の水質浄化機能の推計制度を向上させ、河川や用排水路内の汚濁蓄積を防ぐための「乾季環境用水量」のような新しい概念の創出につながることが期待できる。 本研究では、マグヒアオ川に水田からの排水が合流する前後に検査区間IおよびIIを設け、雨季/乾季それぞれにおける栄養塩類(窒素・リン)の物質収支を解析する。乾季には、マグヒアオ川の水源はほぼ都市排水のみであり、検査区間IとIIで大きな差異はないと考えられる。一方、雨季には、検査区間Iの下流部で、水田からの排水路から多量の水が供給されるため、検査区間IIでは河川水の希釈および沈殿物の巻き上げが生じると予想される。 検査区間の流入/流出部で流量を計測するとともに、採水を行い、水質分析を行う。 2019年度は、2019年5月(乾季)、8月(雨季)、2020年(乾季)の3回現地調査を行った。水質の観測項目は、全窒素、全リン、硝酸、アンモニア、リン酸、浮遊物質、全有機炭素、溶存酸素に加え、生物化学的酸素要求量(BOD)の分析環境を整備した。また、現地の研究協力者によって毎週の水質データの収集を始めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
現在までの進捗は、申請段階の計画以上に順調に進展している。 2019年度は、2019年5月(乾季)、8月(雨季)、2020年(乾季)の3回現地調査を行った。水質の観測項目は、全窒素、全リン、硝酸、アンモニア、リン酸、浮遊物質、全有機炭素、溶存酸素に加え、生物化学的酸素要求量(BOD)の分析環境を整備した。また、現地の研究協力者によって毎週の水質データの収集を始めた。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度以降は、現地の観測データ収集を継続しつつ、湿地の水質浄化メカニズムの解明に向けたデータ分析にとりかかる。 ただし、新型コロナウィルスの影響で、2020年度は現地への渡航が制限されることが予想される。その場合にも、これまでに蓄積した観測データを用いてデータ分析を進める。
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