研究課題/領域番号 |
19K12417
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
木下 泉 高知大学, その他部局等(名誉教授), 名誉教授 (60225000)
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研究分担者 |
速水 祐一 佐賀大学, 農学部, 准教授 (00335887)
田原 大輔 福井県立大学, 海洋生物資源学部, 教授 (20295538)
太田 太郎 公立鳥取環境大学, 人間形成教育センター, 准教授 (30504500)
川村 嘉応 佐賀大学, 農学部, 招へい教授 (30601603)
斉藤 知己 高知大学, 教育研究部総合科学系複合領域科学部門, 教授 (80632603)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 有明海 / ノリひび網 / 魚類成育場 / 河口域 / 流れ |
研究実績の概要 |
2022年3月25日,福岡高等裁判所は,諫早湾潮受堤防の開門を命じた確定判決(2010年)を無効化し,この確定判決に従わない国側の訴えを全面的に容認した.その理由として,漁獲量の増加傾向,干拓地での営農の定着,さらに開門時での防災上の支障の増大などを挙げている.しかし,これを事実誤認として,漁業者側は4月8日に最高裁判所に上告した.この判決の是非はともかく,その理由には納得し難いものがあることは事実である.なぜなら,漁業を構成する有明海の生物ならびに環境の変動についてはほとんど触れられていない.これには,むしろ,原告側(漁業者)とその弁護団にも責任があると言ってもいい.すなわち,きちんとした科学的データーが提示されなかったことが推測される. これらを鑑みて,今回のシンポジウムは,諫早潮受堤防および筑後大堰の設置以降,継続されてきた科学的な調査・研究を基礎に,生物および環境の現況を整理し,堤防・堰施工以前に行われたであろうアセスメント調査のデーターと比較し,生物・環境の変化の有無を明らかにし,今後の有明海の保全のための考え方の一つに寄与することが目的である.
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