研究課題/領域番号 |
19K12419
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64040:自然共生システム関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
佐藤 香織 (鶴井香織) 琉球大学, 農学部, 准教授 (00598344)
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研究分担者 |
辻 瑞樹 琉球大学, 農学部, 教授 (20222135)
柏田 祥策 東洋大学, 生命科学部, 教授 (20370265)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 外来魚 / カダヤシ / アロモン / 水溶性化学物質 |
研究成果の概要 |
同種や他種の個体の成長を化学物質の放出により促進・抑制させる現象をアレロパシーといい、植物では多くの事例がある。一方、動物では化学物質の環境中への放出を介した他個体の成長抑制についての知見は、社会性昆虫などの種内相互作用の例にほぼ限られる。カダヤシの成魚雌は、同種雌の成長や繁殖を抑制する水溶性の化学物質を放出するとされるが、他種への影響は不明であった。本研究の結果、カダヤシ成魚雌が放出する化学物質は、同種稚魚の成長と同種成魚の繁殖に負の影響を与えるだけでなく、他種(グッピー)の稚魚の生存率を低下させる可能性が示唆された。
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自由記述の分野 |
行動生態学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果により、動物ではこれまで見過ごされていた「環境に放出する化学物質による種間競争」が魚類で発見された。このことにより、水中の生態系において、化学物質を介した種間相互作用も重要である可能性が見出された。カダヤシは世界的な侵略的外来種として知られ、旺盛な捕食行動により在来種を駆逐するなど生態系に悪影響を与えているとされる。カダヤシの放出物質がグッピーの稚魚の死亡率を上昇させたという本研究成果から、カダヤシのような侵略的外来魚は捕食だけでなく放出化学物質により在来生物を駆逐し席巻していったという可能性が浮上した。これらの発見は、水圏生態系の理解を深めることを通じ、外来生物問題解決に資する。
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