本研究では、森林‐草原モザイク景観の多面的機能の向上に資する生態系管理手法を検討するために、森林生態系における草本植物および草原生態系における木本植物の生物多様性や生態系機能を明らかにすることを目的とした。結果、草原利用履歴をもつ人工林の土壌中に地上部植生には存在しない草原性植物の埋土種子が存在すること、半自然草原に生育する木本植物が虫えい形成昆虫のハビタットとして機能していることを明らかにした。これらの成果は、森林‐草原景観において草本植物および木本植物の柔軟な管理をすすめることが、管理コストの低減および多面的機能の向上につながる可能性を示している。
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