メタン発酵残渣の色落ちノリへの有効性を明らかにすることを目的として,連続メタン発酵実験・ノリ培養実験を行った。その結果,混合メタン発酵によってメタン生成量や残渣成分が安定し,重金属類の濃度を制御できること,アオサ由来の残渣(液相)にはノリの色落ち解消となる微量金属成分が他のバイオマスに比べ多く含まれること,混合メタン発酵残渣を用いて培養したノリは,顕著な色回復を示すとともに,重金属の影響も小さいことがわかった。一方,微量金属が多い残渣(固相)の活用や実スケールを鑑みた残渣の使用方法などの技術的な課題に加えて,混合メタン発酵を実現させるための未活用バイオマスの収集シナリオについて課題が残った。
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