今年度は小課題1に関して、今まで実施してきたインドネシアとブータンの調査結果を整理し、投稿論文としてまとめた。インドネシア・クリンチ県では、クリンチ国立公園におけるNGOによるオルタナティブな生計維持を支援するプロジェクトの前後での地域住民による国立公園との関わりについて分析した。その結果、国立公園外でのNGOによるコーヒー支援活動により、国立公園内に農地を開拓していた人々の多くが公園内の農地を放棄していた。ブータンでは、落葉採集林(ソクシン)の法制度の変遷と、住民によるソクシンの管理の実態についてまとめた。法制度と現場での慣習的なソクシン管理との間には大きな齟齬があることが明らかになった。小課題3に関しては、インドネシア・ガジャマダ大学を訪問し、カウンターパートの教員と今まで実践してきた調査研究結果について議論し、今後の共同研究の方向性について確認した。
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